私がなんとなく避けているワードたち
小説でもエッセイでも詩でもない、ただの雑文です。
作品とすることに意味はあるのか……、そんな雑文です。
単なる情報以上の思想? みたいなものはあると思うけれど……、
ああ、こういうのをつぶやきっていうのかしら。
って感じの雑文です。
・セリフ
よく小説内の会話文を「セリフ」って表現するのを見かけるけれど、あれってなんなのだろう……っていつも思う。ネットで検索してみても発祥とかわからなかった……。
もともと「セリフ」というのはお芝居のことばで、頭書き(役名表示)の下にくる役者のしゃべることばのことをいうのだよね。なぜこれが、小説の会話文を指すのに使われるようになったのかな……と。
そう考えるうちに、ネット小説を読んでいて語り手や主人公の独り言を「」内に表す描写がけっこうあるな、というのに思いいたって、そうか、「会話文」という表現だとだれかとの会話ってイメージがあるから、独り言を多用する作品において「会話文」というのは抵抗があるのかな、と。
でも待てよ、セリフってそもそも「競り言う」だから……、つまり、カンバゼーションじゃなくてダイアログだから……、こっちのほうがハードル高くないか……。
・素人
「素人」ってなんか、卑屈なイメージないですか? 侮蔑的に使われたりするからなのかしら。
アマチュアっていうと、愛好家ってニュアンスがちゃんとわかるような気がするけれど……、でも、英和辞書で検索すると「未熟者」って意味もちゃんと載ってるのよね……
ただ、やっぱり語源的に考えると、もともとマイナスだった「素人」よりは、ポジティヴな意味合いの「アマチュア」を使ったほうがいいのかな、って。
・キャラ
これはね、「人格」「記号」「登場人物」をひとくくりにして「キャラクター」っていうもんだから、ややこしい。
「キャラ」っていうと大抵「記号」だよね。「あんたそういうキャラなのね」とか、「メガネキャラ」とか「真面目キャラ」とか。まあ、「人格」って意味のキャラクターも、じっさいには「個」のうえにかぶるその人の特徴みたいなものだから、つまりは記号であって、本質的な性格や個性(パーソナリティ)とは似て非なるものなんだけど……
で、そういう使われ方をしている「キャラ」ということばだから、「登場人物」を指すのに「キャラ」ってことばを使いたくないな、と。「うちの小説のキャラが」なんていうと、どうしても軽々しく聞こえてしまうような気がして。
・鑑賞
「趣味は映画鑑賞です」ってさ、なんだそれ、って思いません?
「鑑みる」って、そんな高尚なことしてねーよ、って思っちゃうの。どちらかというと、見て楽しむ「観賞」なんだけど、これ使うと、芸術作品の場合は「鑑賞」ですよって、誤字扱いされそうなのよね……。
・芸術的(あるいは文学的)
これって、本来は悪い意味ではないのだろうけど、どことなく「前衛的」とか「奇抜」とか、わけわからないものっていうニュアンスが込められている気がして。
まあ、芸術や文学がわけわからないものってのは間違っちゃいないのだろうけど、なんかこう、同じ物書きや創作者仲間のなかでもさらに「わからんやつら」扱いされているような気がして。なんだろう、同じように磔にされている罪人仲間に、極悪人扱いされたような、そんな感じ? ……いや、だからそのたとえが文学的だっつの。(言っちゃうのかよ。)