第56話 魔石(特大)で・・・
いきなり現れて、風の様に去って行った3人の魔人。
あいつらはやっぱり敵なんだろうな・・・
『主殿! ご無事でございますか!』
ボルトが大急ぎで駆けつけてくれた。
『おお! ご無事のようですな。ハヤテ! 何があった!』
『あぁ・・・・旦那か・・・・』
ボルトを確認したハヤテはへたり込んでしまった。
ハヤテは精神的に大分やられたようだ。自分より強い者が相手だったし、自分と同等の魔人が他に2人いたんだ。怖かっただろうな。
ボルトはオレとハヤテの無事を確認すると、皆を呼び寄せてくれた。
『ボルト、助かったよ。お前が来てくれたから、魔人達は逃げて行ったよ』
『やはり魔人でしたか。かなりの強者と感じましたが』
『そうだね、3人の魔人が突然現れたんだ。ステータスは確認した、3人共強かったよ。2人はハヤテと同じぐらいの強さだった、速さはハヤテの方が断然勝ってたけどね。でもイレブンというリーダーの魔人はボルトと同じぐらい強かったよ』
『むぅ、そうでしたか。でも、ご無事で何よりです。それで、その魔人共はどこに行きましたか』
『それが突然消えちゃったんだ。速すぎて見失った感じじゃ無かったな、目の前から突然消えたようだったよ』
『それは転移ですな。そういったスキルを持ってたんでしょうな』
ん? 転移のスキル? そんなの無かったよな。どうだったかな・・・
《先ほどの魔人のステータスを出します》
(お、助かるよ、ナビゲーター)
名前: ワン・キューベック
分類: 魔貴族(子爵)LV51
HP:5214/5214 MP:5336/5336 ATT5147 DFE5369 SPD5024
スキル:【武器】4/10【魔法】5/10【隠形】8/10【感知】2/10
武器:【剣】7/10
魔法:【火】3/10【水】4/10【木】6/10【土】5/10【闇】7/10
ユニークスキル:【ビームアイ】
称号:魔王の使い
名前: セブン・キューベック
分類: 魔貴族(伯爵)LV53
HP:5003/5003 MP:5028/5028 ATT5366 DFE5346 SPD5321
スキル:【魔眼】8/10【武器】2/10【魔法】7/10【念話】3/10【隠形】7/10【感知】5/10
武器:【剣】1/10【鞭】6/10【拳】5/10
魔法:【火】1/10【水】5/10【木】9/10【土】7/10【闇】9/10【空間】5/10
ユニークスキル:【魔界門】
称号:魔王の使い
名前: イレブン・キューベック
分類: 魔王子(貴公子)LV71
HP:71087108 MP:7099/7099 ATT7054 DFE7031 SPD7059
スキル:【魔眼】Max【武器】7/10【魔法】7/10【鑑定】Max【念話】5/10【隠形】6/10【感知】5/10
武器:【剣】6/10
魔法:【火】2/10【水】2/10【木】2/10【土】2/10【闇】7/10
ユニークスキル:【魔返り】
称号:魔王の子 ドラゴンキラー
ナビゲーターが画面・・・いや、視界に出してくれた。
やっぱり、魔人の進化種だよな。イレブンの実力がやっぱり抜けてるよな。
魔王の子って称号だったんだ。でも転移系は持って無いよな。
《可能性としてセブンのユニークスキル【魔界門】か、セブンの空間魔法の可能性があります。【魔界門】が何か判明しませんが、使用時には門が現れると思われますので、空間魔法で転送魔法陣を使用した可能性があります》
(転送魔法陣? 空間魔法で? そんな事が出来るんだ。うちの連中だと魔法が得意なキューちゃんかルシエルあたりに出来ないかな?)
《まだ熟練度が低いので出来ませんが、熟練度を上げると出来る可能性はあります。従者の中ではキュートとルシエルにその資質があります》
(絶対できる訳じゃないの?)
《はい、空間魔法の熟練度が5/10以上と転送魔法を一度経験する必要があります》
(そんなのどこで経験できるのさ)
《ダンジョンで経験できます》
(あ、最下層から戻って来るやつ?)
《そうです》
(じゃ、キューちゃんは経験したから後は熟練度を上げるだけで出来るの?)
《・・・・・・そうです》
何? 今の間は。またダンジョンに行かそうとしてないか?
ルシエルにもダンジョンに行かせる気は無いからな。やっぱ危険だろ、そんなとこに行かなくても一人前にはなれるんだよ。
それに、キューちゃんが覚えれば、キューちゃんに転送魔法を使ってもらってルシエルが経験すればいいんだろ? ダンジョンなんか行かなくても覚えられるじゃないか。
《ちっ》
また舌打ちした? そんなにオレをダンジョンに行かせたいのか?
舌打ちで思い出したけど、今回の魔人討伐で魔石(特大)が揃うんじゃないのか? 今回倒した魔人退治では魔石は破壊されてないだろ? 10人の魔人を倒したんだから、お釣りが来るよな。
《ニンマリ》
え? それを口で言う? バカじゃねー。
「馬車さーん!!」
『あるじ様ー!』
「ご主人様ー!!」
「ご主人様ー!!」
「ご主人様ー!!」
シルビア、ライリィ、ルシエル、パルが大急ぎで駆けつけてくれた。遅れてるようだけどミランダリィさんと女兵士の姿も見える。
オレの事を心配して慌てて戻って来てくれたみたいだ。嬉しいねー。
あれ? キューちゃんの声も聞こえた様な気がしたんだけど・・・あ、シルビアにしがみついてる。
オレの無事を確認すると皆安心してくれたようだ。
皆が戻って来たから食事にする事にして、強い魔人が3人いた事を話した。もう逃げていないので安心するようにも言っておいた。
ハヤテとキューちゃんで周辺を見回ってくれたらキューちゃんが魔法陣を見つけた。
でも、その魔法陣は向こう側が消してあるようで、もう繋がって無い魔法陣だった。
ミランダリィさんの説明では、魔法陣というのは基本的には2個でワンセット。入口と出口だ。基本は双方向行き来できるように作られるそうだが、ダンジョンのように一方通行のものもあるみたいだ。高度な物になると何個でも繋げられるそうだが、そんなのは理論的に出来ると思われてるだけで、誰も見た事は無いらしい。
今回現れた魔人がオレの前から消えたのは、魔法陣を使った転移だったみたいだ。
そんな事までできる魔人達か、手強そうだな。
魔人達の棲み処では宝部屋もあったそうで、レアな武器も沢山あったみたいだ。もうオレの興味は魔人よりレアな武具やアイテムになってしまった。
魔人の死骸も全部回収できたという事だったので、一旦出してもらって収納しようと思ったら、ナビゲーターの指示で収納バッグをオレが収納する事で中身をこちらに移す事ができると言われたから、収納バッグを渡してもらった。
ナビゲーターが必要な物を移し替えたら、収納バッグはそれぞれに返した。
ビューンビューンビューンビューンチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャラランチャラランチャラランチャラランパッパカパッパカパーンパパパパーンドドドンドドンジャーーン
おお! ファンファーレ長! これは来たか?
《魔石(特大)が5個揃いました。進化させる事ができます。どれを進化させますか?》
【馬車王】
【召喚】
【変身】
【念話】
【錬金】
【魔法】
この選択って・・・結局全部取れるってやつじゃないのか? 今回の場合はレベルアップじゃなくて魔石(特大)が切っ掛けになるんだろうけど、選択順を選ぶだけだろ?
(ナビゲーター、それぞれの詳細は教えてくれるのか?)
《・・・シーン》
だから口で言うなって。
わかったよ、教えてくれないんだな。じゃあ、どれにするか・・・
【馬車王】って期待薄だよな、【召喚】とか【変身】とか【魔法】って、もしかして攻撃出来たりしないか? うん、攻撃出来るようになるんじゃないの?
あ、このパターン、思い出した。上げるだけ上げて落とすってやつ?
【念話】が進化したら音声で会話できるようになるとか? 【変身】は9/10だったよな、いつまでも上がらなかったやつだよ。
《【変身】は、魔石(特大)が5個揃った時点でMaxになりました》
え? いつの間に。それで10/10は何になったんだ? えーと・・・ダンジョンバージョン? イラネ。
さっさと選ぼうか、魔人は10人倒したんだから、貯金が3個あったし魔石(特大)が5個で1個上げられるとして選べるのは2回か。
裏をかいて【馬車王】を選ぶぞ!
ビューンビューンビューンビューンチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャラランチャラランチャラランチャラランパッパカパッパカパーンパパパパーンドドドンドドンジャーーン
またさっきのファンファーレだ。これっていいやつかも。
《【馬車王】が【御者】に進化しました》
え? 振り出しに戻る。的な? いやいや、それは有り得ないだろう。ちゃんと説明してくれるんだろうな。
《【御者】進化版は行動範囲が10キロになりました。これが【御者】の最終進化になります》
えーーー! やっぱりハズレじゃん! しかもまた帽子被ってるし。落ち込むわー。
ビューンビューンビューンビューンチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャラランチャラランチャラランチャラランパッパカパッパカパーンパパパパーンドドドンドドンジャーーン
《魔石(特大)が5個揃いました。進化させる事ができます。どれを進化させますか?》
【召喚】
【変身】
【念話】
【錬金】
【魔法】
やっぱりか。やっぱり選択順ってだけだな。
でも、魔石(特大)が入手できなかったら進化出来ない訳だし、ちゃんと選ばないとな。
うーん、さっき思った通り正攻法で攻撃期待で行ってみるか。
ベタな【魔法】じゃなくて、ちょっと捻って【召喚】にすると見せかけて、やっぱり【魔法】!
ビューンビューンビューンビューンチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャッチャカチャラランチャラランチャラランチャラランパッパカパッパカパーンパパパパーンドドドンドドンジャーーン
《【魔法】が10/30になりました》
え? それだけ?
チャッチャカチャッチャチャッチャカチャッチャジャーーン!
《魔石(特大)。あと2個です》
(・・・・・・・)
期待したオレがバカだったよ。分かってたのになー。
名前: なし
分類: 馬車
レベル:【戦闘】LV95 【移動】LV55 【速度】52キロ
LP:6784/6784 MP:6922/6922 SP:7055/7055
スキル:【鑑定】Max【フェロモン】188/100【ハーネス】Max【バング】Max【コマンド】6/10【亜空間収納】Max【魔法】10/30【変身】Max【回復地帯】Max【結界】Max【念話】8/10【召喚】Max【御者】1/10【錬金】9/10【料理】Max【冒険者カード】Max【鑑定妨害】Max
魔法:【クリーン】Max【ライト】4/10【蜃気楼】7/10【潜行】5/10
召喚:【使い】Max
ユニークスキル:【育成】
称号:
従者契約:ボルト ハヤテ キュート ディーディパル ライリィ ルシエル エリザベス アントワネット
【召喚】が抜けてましたので、追加修正しました。
セブンのステータスを上方修正しました。




