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第25話 首輪完成

昼飯の為に町中を散策し、ボルトが出ても問題無い所を探す。

防壁の近くは一般市民立ち入り禁止区域になっているが、防壁から5メートル以内だけの話なのでそこに入らなければいいようだ。軍専用通路になっていた。

防壁の角の近くに人目の少ない場所があったので、そこで昼食にすることにした。

ボルトも小さめで出て来て(2メートルはあるけど)昼食を終えると町の散策をすることにした。


このメキドナの町は大きな町だ。四方に門があって、1辺が約20キロある。後でわかった事だが人口は10万人と大きさの割には少な目。しかも町の中心と各門の周辺に人口が集中している。防壁近辺は兵士の為の道路や施設が多いので、防壁より少し離れた所を門から角に行くにつれて町は寂れて行く。それはどの角でも同じことだった。

寂れた地区では貧乏な家が多い。貧乏だからこういった場所にしか住めないというのもあるが、どの町でも闇の部分はある。

中央の区画には領主に城があり、城を囲むように貴族の大きな屋敷が建ち並ぶ。

いつも使う東門のある東側は冒険者の為のものが多く建ち並んでいる。

冒険者、武器、防具、鍛治、魔法、アイテム、食堂などの各ギルドも東側が多い。

インザーグ達が行ったダンジョンがある西側には兵士達の訓練所など城の防衛施設が多い。もちろん兵士はそれぞれ各方位に配備はされている。

北側と南側には一般市民の居住区となっている。

大まかに分けるとこういう感じだが、きっちり区分けされている訳でも無い、東の区画以外にも少ないけど食堂はあるし服屋もあるし住居もある。集中して区分けしてあるだけで、絶対にその区画にしないといけないというルールでもないようだ。町を散策してみた感じのイメージだけど大体は合ってると思う。


散策中にやっとシルビアが口を開いてくれた。

『馬車さん、ゴメンね。話せなくって。』

『やっと話してくれたか。別にいいよ。』

『ミランダリィさんが魔人ってショックだったの。』

『それは違うだろ、ミランダリィ・サークルフォーって人に化けたサーシェリー・キューベックって奴が魔人なんだろ?』

『じゃあ、ミランダリィさんはどうなったんだろ。殺されちゃったのかな。』

『それは分からないよ。』

『ミランダリィさんの依頼だからと思って依頼受けちゃったけど良かったのかなぁ。』

『ミランダリィって人はシルビアがバーゲストに連れ出された事と何か関係あるのかもな? じゃあ、受けちゃダメだったかもな。』

『そっかぁ。関係あったのかなぁ』

『そうか、シルビアは何も知らなかったよな。それならその魔人に聞けば分かるかもな。』

『そうだね、ミランダリィさんの所に行ってみようか。』

『それはダメだ。誰もシルビアに付いて屋敷に入れないじゃないか。折角依頼を受けたんだから道中で話せばみんながフォローできるし、明後日まで待ってみようよ。』

『そうだね、そうする。』


夕方になり、アクセサリー屋に行った。

シルビアに尋ねてもらうと首輪は3つ出来上がっていた。

キューちゃんはその場で付けてもらい、ハヤテはシルビアが外に出た時に付けてもらった。ボルトは出て来ると周りが怖がるから町の外に出た時にでも付けてもらおう。

首輪には魔石とは分からないように丸い入れ物に入れてあり首輪に付けてある。

魔石が入っている丸い入れ物は何かの金属で出来ているようで、銀色をしていて光沢があった。イメージとしては大きな鈴の様に感じた。

全部同じ大きさの魔石にしたもんだから、キューちゃんの首輪に付いてる丸い飾りはキューちゃんの顔ぐらいの大きさになっている。直径8センチほどの鈴の様な物、邪魔そうだけど可愛いからそのまま付けてもらった。

ボルトの首輪の説明もしてもらった。魔法には伸縮させる魔法が無いので大きくなると大きい首輪を生成して小さくなると小さい首輪を生成するようになってると言ってた。

うん、わからんね。付けて実験して見てみないことにはね。

ハヤテとキューちゃんの首輪には何も付加してない。付加は後でも出来るからまずは付けておいて必要になったら付加を付ければいいとアドバイスをもらった。

太さはボルトとハヤテの首輪が10センチ、キューちゃんのは2センチだった。

デザインも凝ってくれていて、模様の様なものがベルトにずっと書いてある。

この模様だけで毒・麻痺(無効)の付加効果があるらしい。ガイゴの糸に拘ったのは、こういう付加効果が高い素材だったからだそうだ。ボルトの首輪にはそのガイゴの糸袋が4個使われていたので、付加効果も更に身体強化(中)と魔力強化(中)も付いていると説明してくれた。

こんなものを半日で作れるって凄いな。

でも、こういう首輪を付けると確かに野良って感じはしないな。

精算もしてくれた。素材は持ち込みだから製作費としてキューちゃんの首輪とハヤテの首輪が金貨1枚と5枚、ボルトの首輪は金貨10枚。これをガイゴの糸袋6個使ったので5個ある余りを買い取るという事になり、買い取ると金貨25枚なので、こちらからは支払い無しで逆に金貨9枚貰った。レッドエイトの糸袋は11個あったので金貨55枚貰った。これでも冒険者ギルドに依頼するとこの倍取られるし、普通に小売で買うと3倍取られるそうだ。こっちもありがたかったけど、サンも大喜びだった。依頼料代わりにシルビアにもネックレスをプレゼントしてくれた。毒・麻痺(無効)の模様付に精神攻撃(無効)の魔石での付加魔法付き。「Aランクのお祝いも兼ねてんだよ」ってサンに言われてシルビアも喜んで受け取った。

またいつでも寄ってくれと言われて店を出た。

んー、【馬車長】はずっと店に居たんだけどね。サンには一度も目線を向けられなかったな。

でもハーフエルフ最高! また来るぞ。


今日は絶対に宿に泊まれと説得しシルビアには宿に泊まってもらい、オレ達は町の外に行った。ボルトが影から出られないし、出ても小さいままじゃストレスだって言ってたしね。町の外なら出せるからオレ達は町の外に来ている。シルビアにはボディガードとしてキューちゃんに付いてもらってる。

必要ないとは思うけどね。

町の外に行って夕食にした。昨日みたいに他の馬車が通らないとも限らないので、前に地龍を倒しハヤテと出会った所まで行くことにした。

途中に出て来る魔物はボルトが倒すし、道も出来ていて誰も来ないから丁度良かった。

【バング】を外してハヤテも食べる。まだ移動経験値が上がるなぁ。いつまで上がるんだろ。今日はボルトもハヤテも大人しく休んでいた。平和な夜だった。



〈一方その夜のシルビアは。〉

宿に入ると受付で従魔がいることを伝えキューちゃんを紹介した。

前回ボルトを見せられて警戒していた女将さんもキューちゃんを見た途端、笑顔になって「この子ならOKだよ」と言ってくれた。

前金なので、金貨を1枚渡した。「お釣りだよ。」と言われても何の事か分からないお嬢様のシルビアは「知らない。」と言って部屋に入って行った。

「いいのかねぇ」女将さんも困り顔だった。


食事も風呂も終えて部屋に戻り、後は寝るだけになった所でシルビアが行動に出た。

「キューちゃん、今日の魔人の人って覚えてる?」

キュキュ『覚えてるよー』

「どこにいるかわかる?」

『わかるよー』キュキュ

「ちょっと行ってみようか。」

『うん、行こー行こー。』キュキュキュー


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