第2話 ステータスの確認
ゴブリン達がここまで運んで来てもう3日経つよな。魔物すら近づいて来ないね、そりゃオレ馬車ですから。
あ! 久し振りの魔物! えーっとネコ? 違うよねー、ネコはそんなにデカく無いよねー。角生えてるし。
ジーッとデカいネコを見てたら、また画面に表示された。それしか見るもの無ーし見るよな普通。
種族:ホーンタイガー(魔獣)LV3
背中まで2メートルちょっとはありそうな頭に1本角の生えた虎みたいな魔物だった。
魔獣ってなってるから獣が魔物化した奴なんだろう。
ゴブリンの時と同様に【ホーンタイガー:LV3】の文字が小さくなって線付きでホーンタイガーに付いて行く。
ピンポーンピンポーン
《【鑑定】熟練度が2になりました》
【鑑定】持ってたんだ。こうやって出てるもんね、そりゃそうか。
ホーンタイガーはゆっくり近づいて来る。
『そうだこっちに来い、そしてオレを壊してくれ。そうすりゃオレの馬車ライフがジ・エンドになって、また別のものに転生できるかもしれない。頼むぞホーンタイガー』
ホーンタイガーは近づいて来るが目線はオレなんだけどオレじゃなくて手に向いてるようだ。
あ、紐?
ハーネスを動かす度にホーンタイガーの顔も紐に合わせて動く。
お前はネコか! あ、デカいネコだ。でもこれはチャンスだ。このハーネスでおびき寄せて一気にオレを破壊してもらおう。
オレはブンブンハーネスを振り回した。
ホーンタイガーは我慢できなくなりハーネスに向かって飛びついて来た。
よーし! 成功だ。頼んだぞホーンタイガー! 一思いにやってくれー。
ジャンプしてきたホーンタイガーは右手のハーネスに巻きついてしまいオレの手と手の間に収まってしまった。
え? これって馬が馬車を引っ張る的な感じに収まっちゃったけど、お前引っ張ってくれんの?
ホーンタイガーは巻き付かれたハーネスを振り解こうとダッシュで走り出した。
いきなり走るんじゃねー! お前早すぎー、怖いってー。
怖いから左手のハーネスも巻き付けた。
初めのうちは広い所を逃げ回っていたホーンタイガーもいつまでも馬車が付いて来るもんだから森の中に逃げ込んだ。
このスピードで放り出されたらオレも無事じゃすまない。必死でホーンタイガーにしがみつく。木にぶつかったり石で跳ねたりグワングワンになりながらも必死でしがみついていた。
当たってる感触はあるんだけど、痛みが無いね。こういうのは嬉しいんだけど目が閉じれないからやっぱり怖いって、画像情報は全部入って来るし。
死んだらどうとか思うより、怖いからホーンタイガーに振り解かれないように必死にハーネスでしがみついていた。
森の中でも振り切れないと思ったのかホーンタイガーはまた広い所に出て最高速で振り切ろうと考えたみたいだ。
デジタルの数字が大きくなって行く。
これってスピードメーターだったんだ。数字が30を超えた辺りでオレの手に力が入らなくなった。
オレの呪縛から逃れたホーンタイガーは更にスピードを上げて逃げて行った。
画面を確認してみるとSPが無くなっていた。LPも1/2になっていた。
これってもうちょっとだったんじゃないの? もうちょっとで死ねた?
MPも少し減っていた。MPって魔法の為のポイントだよな? なぜ減る?
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが4になりました。青銅の鎧を出すことができます。各ポイントがアップしました》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました》
《スキル【収納】を取得しました》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが5になりました。青銅の盾を出すことができます。各ポイントがアップしました》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました》
《スキル【魔法】を取得しました》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが6になりました。鎖帷子を出すことができます。各ポイントがアップしました》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました》
《魔法【クリーン】を取得しました》
戦闘経験値って何で上がるの? 確かにホーンタイガーが魔物をバンバン弾き飛ばしてたけど、ホーンタイガーも必死だったからな。でもそれでいいのか?
しかもこの上がるタイミングって移動中は上がらないんだ。
なんか荷台に武器・防具が出て来てるんだけど、誰が使うの。オレが人間になれるのか? このままじゃ装備どころか動くことさえできねーっつーの。
ピロピロピーン
《移動経験値が上がりレベルが7になりました。どれを選びますか?》
上画面
下画面
別にどっちでもいいや『下で』
《下画面が選択されました。下画面をゲットしました。》
《自走時間5分獲得しました。自走時間は合計20分になりました。》
ピロピロピーン
《移動経験値が上がりレベルが8になりました。どれを選びますか?》
上画面
これって1択だから聞く必要ネーじゃん。
ちょーっと! その前に、自走時間ってなんだ? 自分で動けるのか?
ナビゲーションさん!
あ、そう。レベルアップが終わってからしか答えてくれないのね。
1択だから自動でやってくれてもいいじゃねーか。
『はい、上画面』
《上画面が選択されました。上画面をゲットしました》
《自走時間5分獲得しました。自走時間は合計25分になりました》
はい、じゃあ聞いてみよう。
ピロピロピーン
《移動経験値が上がりレベルが10になりました。どれを選びますか?》
ズーム
探索
結界
回復地帯
ブレーキ
まだ上がるのかよ! って増えてるし。おお! ブレーキがある。
これってさっきまでもそうだったけど、選択の順番だけだろ? 結局全部取る事になるんじゃねーの?
ズームって使ってたような気がするんだけどな。
《【ズーム】は半径5キロ周辺ならピンポイントでズームができ、【鑑定】も同時に行えます》
内容については教えてくれるんだ。そんなローカルルールなんて知らねーし。
じゃあ、回復地帯って何?
《【回復地帯】は荷台にいる者のLP・MP・SPを徐々に回復させます》
ふ~ん、ってオレには意味ネーじゃん! 誰を回復させんだよ、魔物か?
《魔物でも回復できます》
今のは質問じゃねーし、文句だし。だから自走時間ってなんなんだよ!
シーン
ああ、そう。意味わかんねーし。
先に選べってことね。『順番で言ったら結界か探索だろ? 探索にするよ。あ、ブレーキだった、今の無し。』
《探索が選択されました。探索をゲットしました》
《自走時間5分獲得しました。自走時間は合計30分になりました》
言い直しは出来ねーのかよ。あのさぁ、ナビゲーターさん・・・・
パパッパッパッパパー
《速度計測31キロが計測されました。自走速度、時速3.1キロを獲得》
まだあったのね。
もういいかな? よさそうだな。
『あのさぁナビゲーターさん、自走時間って何?』
《【自走時間】とは自分で動ける時間です》
『どうやったら動けるの?』
《歩くイメージで動けます。》
え? そうなの? 確かに動けないって思ってたから歩こうとも思って無かったよ。
こういうのは優秀なのに融通か利かねーよな。
『あと、LPって無くなったら死ぬの?』
《死にません。LP・MP・SPがMAXになって初めに現れた場所に戻るだけです》
えーー、萎えるわー。転生のやり直し案が全拒否されたよ。
『その時のデメリットは?』
《契約していた者との契約が切れます》
なんだ? その契約って。
『契約って何?』
《馬車を引く者と契約をします。その契約者との契約期間が残っていてもLPが0になれば自動的に契約は解除されます》
『いやいや、契約のやり方を教えて欲しいんだ』
《契約方法は色々ありますが、今できるものはスキル【ウィッシュ】だけです》
『【ウィッシュ】って?』
《お願いをして引っ張ってもらうのです》
『そのお願いのやり方が分からねーっての。声も出せないんだっつーの』
《先ほども使っていました》
え? だからMPが減ってたの? 確かに、もう止まれとか止まってくれよとかそっちに行くなとか心の中では思ってたけど、それでいいのか?
《はい、合っています。現在の熟練度は4です》
『自分のステータスって見れないの?』
《ステータスオープン》
名前: なし
分類: 馬車
レベル:【戦闘】LV6 【移動】LV10 【速度】3.1キロ
LP:260/500 MP:440/500 SP:3/700
スキル:【鑑定】2/10【フェロモン】10/100【ハーネス】8/10【ウィッシュ】4/10【収納】1/10【魔法】1/10【変身】0/10
魔法:【クリーン】1/10
ユニークスキル:【育成】
称号:
おおお! 出たよー! こういうのは優秀なんだよな、うちのナビ子さんは。
1つ1つ確認しないとな。LP・MP・SP、これは比較対象がないからわかりません。
何をどの程度使ってどのぐらい何が減るのか覚えるしかないな。
フェロモンて魔物を引き付けるのか? ハーネスは分かる。手というか指というか、感覚的には肘から 先って感じだ。ウィッシュ、これでお願いするんだな。
収納は本で見た事があるから分かる。魔法も分かる、スキルに魔法があって魔法に種類が出てるからできるんだろう。
問題はこれだ!【変身】キタコレ。変身あるじゃないですか! まだ0だからできないんだろうけど、いずれは変身できるんじゃない? 流石チートだ。
『変身って男にも女にもなれるのか?』
《馬車をカスタマイズできます。》
えーーーと、馬車を? カスタマイズ? いらねーーーー
うちのナビさん、どんだけ落とせば気が済むんだ。
かなり有頂天になって男か女か聞いちゃったよ。生き物ですら無かったね。
【育成】は自分のことじゃないからいいだろ。でも、聞いておくか。
『【育成】はどんな能力?』
《契約には2種類あり、牽引契約と従者契約があります。牽引契約はこの馬車を引っ張ってもらう契約です。従者契約はこの馬車を使うために契約します。従者契約をした者には【育成】による大いなるギフトがあります》
『ちなみに、その従者契約ですが、まさかとは思いますがどっちが主人?』
《この馬車が主人になります》
おー、そこだけは良かったー。でも馬車の従者になる奴なんていねーだろ。
ようし、自分の能力はだいたい理解できたかな。これもちょっとずつだけど思い出してくる記憶のお陰だな。早く名前を思い出せないかな。