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第166話 通常イベント?

誤字報告ありがとうございます。



 久し振りの旅で浮かれてるのはオレだけじゃなかったようで、皆も荷台で楽しそうにしてた。

 珍しくシルビアが鼻歌を歌ってるし、ライリィはカードマジックを始めてるし、ルシエルはなぜかトリップ中だし。なんでトリップしてるんだろね?

 ライリィのカードは確かに奇術に入ると思うよ、ジャグリングから卒業したんだな。

 でも、その技はどうかとも思うよ。最後のオチで、カードを飛ばして木を切り倒すってのは奇術じゃないと思うなぁ。

 その前までは奇術って感じだったのになぁ、惜しかったねライリィ。


 まぁ、のんびり楽しい雰囲気だからオレも楽しいよ。


 そんな楽しい雰囲気を壊してくれるのは、いつも大体イベント発生がある訳で、今回も漏れなく発生しました。

 この辺って、まだ獣人国|(オレの中ではダンジョン王国)からそんなに離れて無いから問題無く進めると思ってたのに。

 というのも、この辺は獣人国の暗部や斥候部隊が偵察に回ってて、異常なしって聞いてたから弛みきってたんだけど、ハヤテが見つけちゃったんだよね。

 今日はボルトもキューちゃんもいないから、索敵能力としてはハヤテが一番。稀にセンが妙に勘がいい時があるけど、普段のセンはオレより索敵範囲は狭い。


 で、何があったかというと、お決まりの盗賊団。

 オレ達に向かって来たんじゃないよ、襲われてる馬車がいたんだ。

 一緒にシルビアもいるからね、正義感の強いシルビアが真っ先に飛び出して行き、あっという間に盗賊団は壊滅。ハヤテに曳かれたオレが到着するまでに終わってたよ。

 君らも無慈悲になったねー、全殺しですか。ま、倒した後は燃やして埋めてるし、捕まえてもこいつらはどうせ処刑されるんだけどね。

 でも、討伐の報告は冒険者ギルドにしておかないとね。


 襲われてた方は、随分と立派な馬車なんだけど、どこかの偉いさんかな? 今は今まで以上にそういうのと関わりを持ちたくないんだけど、どこの国の貴族なんだろう。

 聞いた事も無い小国ならいいんだけど、五大国のどれかなんて無しの方向でお願いしますよ。


「ルシエル、頼める?」

「何をでしょうか」

「あの馬車の人達の安否確認だよ。無事かどうかの確認と行き先の確認だよ。最悪、どこかまで送ってあげないといけないかもしれないだろ」

「私がですか⁉ わ、わかりました。今度こそは失敗しません!」

「い、いや、もうちょっと力を抜いて……」

 もう聞いちゃいねー。これはまたダメなやつだな。



 うん、もう両手を地面について落ち込んでるよ。ダメだったんだな。

 まだ、馬車の扉さえ開けて無いじゃん。どこで躓いたんだ? すみませんって声を掛ける所からか?

 ちょっとアドバイスしてやろうか。


「ルシエル?」

「……はい…ご主人様」

 見事に落ち込んでるね。


「先にそっちで怪我をした護衛の人を回復させて、少し話を聞いてみて」

「……わかりました」


 ルシエルは、馬車の横で怪我をして休んでる人に回復魔法をかけた。

 四人いたが、全員纏めて回復させた。

 四人の内、一人は結構な重症だったみたいだけど、ルシエルの魔法で一瞬で治った。

 こういうのは上手いんだけどな。頭もいいし、話も上手いのに初対面で畏まった時だけはダメなんだよな。


 回復魔法の後、オレの指示通りに回復させた四人の体調も確認し、戻って来た。

 そこで、ある程度事情を聞いて来いっての。まぁいいや、言われた通りやっただけだしな。


「ルシエル、今の人達とは普通に話せてたじゃん。『すみません』じゃなくて『大丈夫ですか?』から話し始めればどうかな」

「! なるほどー! さすがはご主人様です。では、早速試して来ます」

「おー、がんばってねー」


 再度、豪華な馬車に駆けて行くルシエル。

 お、今度は行けたみたいだぞ? うんうん、話してる話してる。近くにいるとルシエルが頼ってもいけないし離れて見てるんだけど、『大丈夫ですか作戦』は上手く行ったみたいだ。


 馬車は六人乗りみたいだし、御者もいるから多くて七人か八人だな。外に四人いるから中には多くても四人か。


「ご主人様、この方達はセイシャロン王国の方達だそうです。避難の為、アーランノットシティに向かう途中だったそうです。如何致しますか?」

 アーランノットシティか。今はブレインに近づかないように言われてるからなぁ。でも、このままだとまた盗賊に襲われたら今度こそ無事に済まないだろうし、どうしたもんかな。


 アーランノットシティまで送ってやる義理はないけど、助けた人達がまた襲われて全滅なんて事になったら寝覚めも悪いし、自己満足すぎるよな。

 関わったのなら無事に町まで入る所まで送ってあげたいし…でも、オレ達と進む方向が違うし…悩むなぁ。

 やっぱり話してみないと判断がつかないね。


 【御者】をルシエルと一緒に襲われていた馬車に行かせ、話を聞く事にした。

 結局、オレが聞くという二度手間になってしまった。

 でも、ルシエルには収穫があったからヨシとするか。


 話を聞いてみると、セイシャロン王国の貴族の娘の一行で、獣人が攻めて来るから避難のためにアーランノットシティに向かっている途中だと、さっきルシエルから聞いた内容と同じ事を話してくれた。

 獣人国はアーランノットシティに近い所にあるから避難というよりは、むしろ獣人国に近づいて来てるのにね。獣人国の場所はまだバレてないから仕方が無いのかもしれないけど。


「それで、私達はセイシャロン王国方面には向かっていまして、王都には立ち寄らず、近隣の国を見て回ろうと思ってますので、アーランノットシティには行かないんですよね」

 お互いの自己紹介は既に終えている。

 オレはキャリッジ冒険団のリーダーと名乗り、相手はキャロライン・セイランダーと名乗った。セイシャまで言って言い直したから、セイシャロン王国の王家関係の人なんでしょうね。


「そうでしたか、助けて頂いたお礼もこの場では大した事ができません。如何でしょう、この先の分岐を脇に逸れると、大きくはありませんが町があります。そちらでおもてなしをさせていただきたいと思いますが如何でしょうか」

 主と思われる見た目十七~八の娘さんの代わりに初老の男性が提案して来た。

 たぶん、見たまんま執事さんなんでしょうね。

 特に二人は怪我もしてないみたいだ。


 別に急ぐ旅では無いけど、他の人と同道する気分でも無いんだよな。だって、久し振りの仲間だけの旅なんだからさ。そういう意味で、さっきまで気分が良かったのに、盗賊なんて出やがるから。台無しだよ。


「では、そこまでは一緒に行きますが、安全が確認できれば出発しますね。急ぐ旅では無いんですけど、この辺りからは早く離れたいので」

 まだ、アーランノットシティから半日分も離れて無いから獣人の斥候もいるだろうし、さっさと離れたいんだよね。さっきも獣人を見かけたんだけど、オレ達の方に向かって拝んでるんだよね。オレってもう信仰対象にされてるっぽいし、そんな気が重くなる所からは早く離れたい。


「お急ぎでは無いのに早く離れたいとはどういう事でしょうか。この辺りは危険なのですか?」

 今、襲われた事もあって危険には敏感になってるんだろう。心配そうな表情の執事さんが尋ねてきた。


「危険と言えば危険かもしれませんね。まだセイシャロン王国の方が安全だと思いますが」

「! それはどういう事でしょうか。何か情報をお持ちでしたらお聞かせ頂けないでしょうか。もちろん、見返りも用意させて頂きます」

 オレのフリに食いついて来る執事さん。

 ちょっと軽率だったか? でも、獣人国が危険だと判断での避難だったら逆に向かって進んでるわけだし、アドバイスぐらいいいだろ。


「この辺りは、獣人の集落が多かった所ですので、早く離れる方がいいと思っただけです。アーランノットシティも獣人からの建国宣言は受けたようですし、今はあまり近づきたく無いんです」

「アーランノットシティにも獣人の襲撃があったのですね、それは知りませんでした。今は情報が錯綜していて、正確な情報が届かないまま行動していたようです。それでは、貴方あなた方はアーランノットシティから避難をされて来たという事でしょうか」

「まぁ、そんなとこです。それでどうされます? その町までぐらいまでなら送ってあげますよ」


 オレの問いかけに考え込む執事さん。凄く迷ってるみたいだ。

 確かにもう少し先に分岐があり、オレの視界には入って無いけど道が続いてるから町があるんだろう。

 そんなに遠くないと言ってたから一~二時間もあれば辿り着けるんじゃないかな。


「じい、わたくしはこの方達と王都に戻りたいと思う」

 悩んでる執事さんに自分の考えを伝える娘さん、キャロラインさんだったか。

 でも、じいってほどの年齢じゃないと思うんだけど、執事さんがちょっと可哀相。


「しかし、戻ると言ってもお嬢様。今王都は混乱の中にあります。身の安全を考えるとアーランノットシティ……いや、そちらも安全では無いとすると、戻った方が……しかし……」

 迷ってるね。その前に、確認しておく事があるんだけど、話が長くなりそうだし……でも、聞いておかないとな。


「あの、悩んでるとこすみませんが、おたくの御者って戦闘員じゃないの? さっきは戦って無かったみたいだけど」

 今も御者台にずっと座ってるけど、ずっと気になってたんだ。

 うちの連中からすると、警戒するレベルでは全然無いんだけど、さっき戦ってた人達よりレベルが高いんだよね。


「いえ、あの者は御者として雇った者で、戦闘員ではありません。武器も碌に扱えない者でしたから」

 そりゃそうでしょ、体術しか持って無いみたいだもん。

 体術のレベルが高いと、体捌きで歩くだけでも分かりそうなもんだけど、上手く隠してるんだろうな。


 目的が分からない以上、放置をした方がいいのかもしれないけど、敵だった場合は厄介だから、敵か味方かぐらいは知りたいな。


「お仲間では無いのですか?」

「いえいえ、信頼のおける方からお借りしてるだけです。今回、初めて会った者です」

 信頼のおける方からね。それなら味方って事でいいのかな? いや、決めつけるのは早計だな。

 しかし、王族の関係者を運ぶ御者なのに、信頼のおける人からでも初見の者に任せるかね。脇が甘すぎないか?


 結局、ここから一番近い町村が提案されてた町なので、そこまで行く事になった。

 お嬢様に野宿などさせるわけにはいかないからだってさ。オレ達もその方が早く別れられていいからね。

 オレ達は野宿なんてする気は無いから。適当な所で、転送魔法陣を描いて馬車ダンジョンに戻って寝るつもりだったからね。


 お嬢様一行の前をオレ達が走り、近くの町【エリューマ】へと向かって行った。


すみません、葬儀で缶詰状態で更新できませんでした。

申し訳ございません。


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