第161話 ダンジョン群
【感謝】
ありがとうございます。
ブックマークが1000になりました。
1000程度でとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、非常に感激しています。
今は、少し投稿ペースが落ち気味ですが、凄く励みになります。
これからもよろしくお願いします。
誤字報告もありがとうございます。
他のダンジョン作りもルシエル達がダンジョン核を用意してくれたので順調に出来上がった。
狩猟用ダンジョンは五階層にして各層に大きな二部屋を作った。
モンスターハウスを二部屋作ったんだ。
その真ん中に通路を作って、部屋に入らなくても下層へ行けるようにもした。
各階層で出現モンスターを分けたので、必要な魔物を獲るのに必要ない魔物と戦わなくて済むようにしたんだ。
上から豚系、牛系、鳥系、蛇系、龍の順にして、肉のドロップ率が高い設定にした。
使ったダンジョンキーは『オーガキー』。『巨人の鍵』にして、もし巨人と被るような魔物だった場合、オレに従じた奴が生まれる可能性があるかもしれないだろ? 直接じゃなくドロップされるものだとしても、そんな奴を食料にしたくないもんな。
この狩猟用ダンジョンは狩るのが目的だから、なるべく従順な奴を生み出したく無かったんだよ。
それでも『馬車ダンジョンの従者』って称号は付いてたけどね。
ボス部屋から出た時には今までのダンジョンの時のように、ズラーっと並んで平伏ってのは無かったけど、オレが魔物に襲われる事は無かったよ。
魔物と遭遇した時は、慌ててハヤテの【バング】を外したからね。今までのダンジョンの魔物の反応と違うから怖かったんだよ。
目が合った時には『うっす』って感じでチョイと頭を下げられたから一応オレの事は認識されてるんだろうな。
次は転送魔法陣を設置する転送ダンジョン。SPが回復してからだから翌日になっちゃったけど。
これは簡単。二階層にして、一階層目に部屋をニ十個作って二階層目に五部屋作った。
番人として強そうな『合成獣の鍵』を使った。
持ってるモンスターキーの中で、精霊女王から貰ったものを覗けば一番若い順のFだったから。
精霊女王から貰った中にはBがあったけど、精霊女王から貰った鍵は使いたくない。
部屋の大きさも、一番大きいのはボルトだから、ボルトが余裕で入れる大きさにした。
転送ダンジョンはすぐにで来たし、SP消費も少なかったから居住用ダンジョンの方に取り掛かる。
一番時間が掛かりそうだったから、少しでもやっておこうと思ってね。
居住用ダンジョンは十階層を作っただけ。
それでも魔物は設定しないといけないから、『巨人の鍵』を設定。
番人に巨人って出入りに邪魔になりそうだね。でも、もう持って無いから仕方が無い。精霊女王からもらった鍵は封印したしね。
毎日、百から百五十の部屋を地道に作っていく作業になるんだな。何日かかるんだろ。
これは後日、種族分けだけでいい事になり、一週間程度で終わったんだけどね。部屋の広さ調整にはSPを消費しないから、先に作っておいた分は無駄にならなかった。
場所さえ提供してやれば、後は自分達で住みやすいようにしていくそうだ。
ただ、ここまでダンジョンを作って思った事がある。
各ダンジョン、結構広く作ってる。特に居住用ダンジョンは何キロあるか分からないぐらい一階層ずつが広い。
なのに、ダンジョン同士で重ならないんだ。これってどういう事なんだろうね。
居住用ダンジョンが出来上がって、各種族の獣人達に全て振り分けが終わった頃、ブレインが帰って来た。
「主様ー、今戻ったよー」
相変わらず飄々と軽い感じだね。
「お帰りブレイン。遅かったね? いや早かった?」
つられてオレも軽い口調で返しちゃったけど、三日経ってるし遅かった? でも連れてるベンケイとコウメイを見るとレベルが50を超えてるし早かった? どっちでもいいか。
一郎達の時もレベルが上がるのは早かったし、こいつらも同類なんだろうな。
でも、大した装備も無いどころか、武器も持って無いのによくやるよ。オレが渡す前に行っちゃったから何も渡せてないんだよ。
ブレインはまだちょっと渡すのは怖いけど、ベンケイとコウメイには渡してやりたかったんだよね。
ベンケイと言えば槍だし、コウメイと言えば扇だから鉄扇なんかいいんじゃないかと思って持ってるんだけど、今渡してもいいかな。
「ベンケイとコウメイに武器を用意してたんだけど、いる?」
「「! 是非に!」」
ハモったね。じゃあ、渡してやろう。
「ベンケイは槍でいい? コウメイは鉄扇が似合いそうかと勝手に決めたんだけど」
二人の足元に出してやる。どっちもウシュムガルの牙から作ったものだ。
「「ありがとうございます!」」
「あと、防具だな。どんなのがいい? 男だしフルアーマーがいいのかな?」
「私はそれでお願いします」というベンケイ。
「私はローブでお願いします」というコウメイ。
うん、どっちも似合いそうだね。
三分後にベンケイにウシュムガルの爪から作ったフルアーマーを。
六分後にはコウメイにウシュムガルの皮で作った革装備とローブを渡してやった。
「主様? 僕には?」
「え? いるの?」
ブレインはまだ完全に信用した訳じゃ無いから、オレの作った武具を渡して強化するのはちょっと躊躇うなぁ。
「もちろんいるに決まってるよー。なんでいらないって思うかなぁ」
「……じゃあ、何の武器がいいの?」
「それはもちろん神級さ。でも、戦闘箒はいらないよ」
戦闘箒? あー、伝説の箒の事か。戦闘箒って呼んでるんだな。
でも、神級で作れるのって伝説の箒しか無いんだけど。
「伝説の箒以外では神級のものは作れるものは無いよ」
「ええ! だったらさ、作れるようになるまで待ってるよ。それとも素材があったらできるとか言わない?」
んー……確かに素材さえあればできるんだけど、『海神の爪』とか『神の涙』とか『魔神の陰毛』とか、絶対に手に入らないものばっかりなんだよ。
精霊女王からは運良く会ったから貰う事も出来たけど、他のも同列の神様たちの名前なんだろうね。絶対に会えそうにも無いし、もし会えたとしても『魔神の陰毛』なんて絶対に貰え無さそうだよね。
「『魔神の陰毛』があれば作れるかな」
絶対に無理そうなものを言ってやった。これで諦めてくれないかな。
「『魔神の陰毛』! ……」
あれ? 知ってんの? マズったかな?
「わかったよ主様。その素材が手に入るまで僕は我慢するよ。でも、もし手に入ったら絶対に作ってよ。絶対だからね」
「う、うん」
やっぱり知ってそうだ。でも、時間は稼げそうかな。
じゃ、僕は用があるからと言ってブレインは再び出て行った。
二人とも狩猟用ダンジョンでもうちょっと鍛えるんだよーって言い残し、すぐにいなくなった。
残されたベンケイとコウメイだけど、装備を整えるとすぐには出て行かず、報告をしてくれた。
「主様、武具をありがとうございます」
コウメイが言うとベンケイも頭を下げた。
「我々二人はブレイン様に鍛えて頂いたあと、人間の国へ一緒に行き『獣人国の建国宣言』をして参りました」
「え⁉」
何してんの? もうやっちゃったの?
「行った国は五大国とアーランノットシティの六ケ所です。王城のある町の外から宣言して参りました」
町の外から? だったら門兵に言っただけか。それなら戯言と思われてるかもしれないし、そもそも誰にも聞こえてないかもね。
「ブレイン様は『念話』を使い、城にいる王はもちろん、町中全部に聞こえるように宣言されました」
おお! 念話かぁ。そんなのに使えたんだ。ブレインの事だから、それって全員に宣言が届いたんだろうね。
「置き土産も置いて来られましたので、逆らう国は出ないでしょう」
置き土産? いいじゃん、ブレインもよく分かってるね。土産は大事だよ。でも、逆らうってどういう事? 協力的とか反対とかなら分かるけど、逆らうってどういう事? 別に従わせようなんて思って無いよ。
「置き土産って何を持って行ったの?」
「はい、まず、城を守っている結界を無効化し、正門から一キロの所に特大の闇魔法で大穴を開けて参りました」
何やってんのー! それって喧嘩売ってるじゃないのー! バカか? ブレインはバカなのか?
「ダメじゃん! 人間の国から攻められるじゃないか! しかも魔族が攻めて来たーってなってるんじゃないの?」
「いえ、問題無いでしょう。我々はフードを被って獣人のフリをしておりましたし、まだ場所も伏せております。今後、獣人の奴隷解放の交渉をするには、これぐらいやっておかないと交渉にもならないだろうとおっしゃってました」
おっしゃってましたじゃねーよ! 何やってんだよブレインは。それって”人間VS獣人”の戦争になるって!
「じゃあ、今は……」
「人間達の国々は大騒ぎになっております」
でしょうね!
もう行けないじゃん! あ、オレやキャリッジ冒険団は関係ないか。バレて無いしね。関わりがあるとか思われて無いんじゃない? 獣人と見た目が似てるのはライリィだけだし、ライリィだって雷人だからね。
雷人って何なんだろ? 元は獣人だから、獣人の上位版なのかな? 気にした事が無かったな。雷獣繋がりの獣人って思ってた。実際そうじゃないのかな。
でも、まずは建国するにしても友好的な入り方をしないと、全部の国を敵に回してしまうよ。
あ、もう回しちゃったか。国の誇る城の結界を壊して、国の顔とも言える正門の前に特大魔法って……
それで、オレ達はどうしたらいいの? なんとかして人間達から敵対される獣人の主なんてのは避けたいよね。
「今後の予定とか、ブレインから聞いてない?」
「はい、まずは国内を纏めるよう仰せ付かっております、一郎殿に任せればいいだろうと。主様はご自由になさってくださいとの事でした」
自由って、好きにしていいって事?
そんな戦争が起きるかもしれない状況で、さすがにオレも放っておけるほど無責任じゃないよ。
何もできる事は無いかもしれないけど、このまま旅を続けるほど薄情な奴でもないし。
「戦争が起きたら大変だから、せめて装備だけでも整えてやった方がいいんじゃないの? オレが作ってやろうか?」
「おお! 流石は主様。獣人共も涙を流して喜ぶでしょう。では早速一郎殿に伝えてまいります」
伝えてって、お前ここの番人じゃなかった? おーい。
ま、誰が来るわけでも無いし、ハヤテもいるからいいけど、あいつガンガン攻めに回るんじゃない? お前の仕事は守りだぞ?
装備は気になってたんだ。獣人達って布の服程度のものしか着て無かったんだよ。今いる数なら新調してやれるほどの素材はあるけど、オレの作れる数が9999になったと言っても、サイズが変われば一緒にはカウントできないから三分で全員分とは行かないだろうな。
あと、小さいのは作れるけど特大サイズは作れ……るようになってるよ。カウント数といい、いつランクアップするような事があったんだよ。何が切っ掛けだったんだ?
この日は遅くまで武具制作に時間が掛かったよ。
だって、獣人達って部族ごとに来やがるし、注文も多いんだ。
やれ斧がいいだとか槍がいいだとか、プレートメイルがいいだの革装備がいいだの。速さ重視とか防御力重視とか。
種族ごとに纏めてくれたらこんなに時間は掛からなかったんだよ。
この装備が無駄になる事を願ってるよ。




