第14話 錬金
町の中だと無かったので町の外に出た。町から30分ほど離れた所で森があったので、森の入り口から少し離れてボルトの【バング】を外した。
ピロピロピーン
《移動経験値が上がりレベルが21になりました。どれを選択しますか?》
ミキサー
また1択じゃん、勝手にやってくれたらいいのに。『ミキサー。』
《ミキサーが選択されました。ミキサーをゲットしました。》
《自走時間20分獲得しました。自走時間は合計240分になりました。》
ゴーンゴーンゴーン
《【ミキサー】を獲得したことにより【ミキサー】が【錬金】に統合され【錬金】が強化されました。【錬金】で武器・防具・アイテム・薬草類が製造・合成が可能になります。》
なに? 武器製造? 今日買ったのに? 防具代も支払ってきたよ。
因みに武器だと何が出来る訳?試してみないとわからないね。
『よし【錬金】武器製造。』
武器の種類の選択画面が出る。剣を選択。
次に素材リストがズラズラーっと出て来る。今持っている素材みたいだ。
今日は1本出しただけだからキングワイバーンの牙がまだ残っている。
キングワイバーンを選択。リストが上に書いてある物ほど強力な素材なようだ。
次の素材リストがズラズラーっと出て来る。ドライアド・ウッドチップを選択。
次の素材リストがまたズラズラーと出る。ヘルハウンドの皮を選択。
《キングワイバーンソード+300。製造しますか?》
Yes/No
+300って攻撃力300ってこと? 今日見たインザーグの攻撃力が297だから、あいつぐらいの攻撃力が剣だけであるってこと? シルビアが持つと378+300って事? 流石Aクラスの魔物素材だな、強ぇーわ。
『Yes』
3分後。
チーン! ゴトン! 荷台に格好良い剣が出て来た。
電子レンジか! 今時チーンって鳴る電子レンジも珍しいけど、3分ってカップ麺か!
突っ込みどころ満載だわ。造るの早すぎだし、今日武器も買ったし、強すぎるし。
戦えねーけど最強になって行くぞ、オレ以外の者が。
んー、切ねー。
防具も造ってみた。もちろんサイズはシルビア仕様。
キングワイバーンとグリフォンの皮は全部鍛冶屋に渡して来たから、Aクラスで残っているヘルハウンドの皮で造った。
レザーアーマー+100
レガース+20
ブーツ+30
アダマンタイマイの甲羅の盾+65
レザーアーマーと言っても全てが皮というわけでもなく、所々金属も入っている。
金属部分には【戦闘経験値】のレベルアップボーナスで貰ったファントムメタルを使った。
ファントムメタルを使うと精神系攻撃に対する耐性が少し付加された。
他にも作ってみた。なんせ3分でできるし素材はあるし。
出せるものを【鑑定】して参考にしてみた。
青銅の剣+8、青銅の鎧+10、青銅の盾+8。
鉄鉱石とミスリル鉱石とプラチナ鉱石と金鉱石とファントムメタルだけでも作ってみた。鉱石で造る物と素材で造るものの違いについても見てみたかったから。
鉄の剣+15、ミスリルの剣+25、プラチナの剣+25、金の剣+17、ファントムメタルの剣+23。
鉄の鎧+18、ミスリルの鎧+30、プラチナメイル+28、金の鎧+20、ファントムメタルの鎧+28。
鉄の盾+12、ミスリルの盾+24、プラチナの盾+22、金の盾+14、ファントムメタルの盾+22。
消費するのはSP。5を消費するが消費した分は5秒で元に戻るので消費しないのと変わらない。素材の場合は造れる物が素材で変わってくるようで、例えばキラービーだったら剣が造れなくて突くに特化したランスを造れるとか、コカトリスを素材にしたら短剣しか造れないが効果に石化と付加できたり、強さも鉱石から造ったものより高かった。
恐らく魔物の強さで変わってくるんだろうな。そりゃそうだよな、鉄の剣なんか通さず逆に折ってしまうような龍の皮が同レベルの強さな訳がないしね。
こうなってくると今日鍛冶屋でAクラスのグリフォンとキングワイバーンの素材を出してしまったのが惜しまれる。
ま、またボルトが獲ってきてくれるだろ。
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが35になりました。水晶を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
《【クレーン】を獲得しました。》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが36になりました。紙を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
《【玉掛け】を獲得しました。》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが37になりました。服を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが38になりました。帽子を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが39になりました。水槽を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
チャラチャラチャーン
《戦闘経験値が上がりレベルが40になりました。寝具を出すことができます。各ポイントがアップしました。》ゴトン!
《【フェロモン】が2強化されました。》
もうそろそろ【戦闘経験値】のレベルが上がりにくくなって来てたんだけどな。ボルトの奴どんだけ獲ったんだ?
『あ、主殿。』
『おや? どうしたボルト。何かあったか?』
『も、申し訳ございません。少し負傷を致しました。戻るのが少し遅れますが、ご安心ください。』
『いや、どうしたんだ? 負傷って怪我をしたのか。迎えに行ってやるよ、すぐに行くからちょっと待ってろよ。』
【ズーム】で探索しても範囲内にはいないな。向かったのはこっちの方だったな。
自走でボルトが向かった方向に走り出す。遅いけど人が歩く程度の速さなら動ける。
【ズーム】で確認しながら走っていると森にボルトが通ったと思われる道があった。
ボルトが通った後は木は倒されてるし、馬車のオレでも通れた。
森に入って3分で【ズーム】でボルトを確認できた。オレの【ズーム】の範囲は10キロだから時速3キロでえーと何分で行けるんだ? えーとえーと3時間か? わからん、考えが纏まらねー。ボルト待ってろよ、すぐに行くからな。
幸い崖や段差も無く真っすぐ行けたので2時間も掛からずボルトと合流出来た。直径10キロって事は半径5キロだったよ。焦ってるなぁ。落ち着け落ち着け。
『ボルト! 大丈夫か?』
『お、おお、主殿。迎えに来てくださったか。申し訳ございません、不覚を取りました。』
『どうした、何にやられたんだ。今の状態は、あ、そうか【鑑定】すればいいのか。』
『もう落ち着いて来ております。じっとしておれば回復します。』
【鑑定】で見たら、HP:577/4254 MP:841/4141 ATT4447 DFE4274 SPD4507
瀕死までは行ってないがHPを大分削られたみたいだ。今のボルトをこれだけ傷付けるとは相当強い魔物なんだろう。確かに徐々には回復しているようだけど早く移動しないとまた来たらボルトは死んでしまうかもしれない。
『ボルト、小さくなってくれ。4メートルまでなら荷台に乗せれる。自力で乗れないならオレの【ハーネス】はそんなに力が無いからさっきゲットした【クレーン】が使えるか。【クレーン】で上げてやれるぞ。』
『御意、それには及びません、少し小さくなって荷台にお邪魔致します。』
ボルトは少し小さくなってオレの荷台に乗った。
まずは【回復地帯】だ。
【回復地帯】でボルトがドンドン回復して行く。このHPの上がり方なら10分もすれば全快しそうだ。それまで周囲の警戒をして、何か来たら【結界】に切り替えるか併用するか。たぶんSPは今なら高くなってるから十分に足りるはずだ。
もう知ってる奴が目の前で死ぬのは嫌なんだよ、絶対に助けてやるからな。
それから10分後、ボルトは全快した。血だらけになってるから【クリーン】も掛けてやった。
『もう大丈夫だな、それにしてもお前をこれだけ傷付けるってどんな奴と戦ったんだ?』
『大変ご心配かけました、もう大丈夫です。それより、お腹が空いて力が抜けていく感じがします。何か食べ物をお願いできませぬか。』
『それはいいが、どんな奴と戦ったんだ? 【料理】。』
魔物肉はボルトが食べる10倍ぐらい獲ってくるからまだまだある。素材で出したのは牙や皮や爪だから肉ばっかり余って行く。腹が減ってると言った時はよく食うから5人前出してやった。
『おお、ではありがたく。』
『それだけ食べれたらもう大丈夫だな、まだ食べるのか?』
『あとこれと同じぐらいお願い致す。』
『わかった。【料理】。それでどんな奴と戦ったんだって。いつもなら自慢して話して来るのに今日は中々言わないな。』
『今日は少し不覚を取りましたので、自慢にはなりません。たかが地龍共に後れを取るなど、恥ずかしくて言えません。』
『え? 地龍!? お前地龍と戦ったの? それってダメな奴じゃん。バーゲストも地龍にやられちゃったんだよ? お前よく無事で済んだな。え? 地龍、共?』
『御意、初め飛龍を倒したのですが、地龍もそいつを狙ってたようで、我とバッタリ出くわしてしまいまして戦闘になりました。もちろん我の圧勝であったのですが、止めを刺すと同時に別の地龍が2体現れまして、不意を突かれ負傷してしまいました。何とか倒すことが出来ましたが、この通り無様な姿を晒すことになってしまいました。しかも主殿に迎えに来て頂くような不始末、申し訳ございません。』
『えーっと、ちょっと待ってな。まず飛龍を倒して次に地龍も倒したと。その後に2体の地龍が現れて怪我をさせられたが2体とも倒した。と、これで合ってる?』
『御意。』
そりゃレベルもあれだけ上がるわ。地龍を3体って、しかも不意を突かれて負傷した後に2体相手に勝つって・・・。どんだけ強いんだ。
『それでその地龍は?』
『その辺りに転がっておるはずです。』
あ、ホントだ。『魔物の死骸』としか出ないからちゃんと見て無かったよ。確かに3体いるわ。あの端の方で原型がヤバくなってる奴が飛龍じゃないか? 収納したら自動で解体するからいいんだけどね。
シルビアが馬車に乗って無かったからレベルアップの恩恵は貰えなかったのを残念がるべきか、ボルトが無事だったのを喜ぶべきか。
更にレベルアップして強くなってるなー。さっきは必死だったから減ってる方のHPにしか気が行かなかったよ。
名前: なし
分類: 馬車
レベル:【戦闘】LV40 【移動】LV13 【速度】3.1キロ
LP:2500/2500 MP:1250/2424 SP:1410/3110
スキル:【鑑定】Max【フェロモン】78/100【ハーネス】Max【バング】Max【コマンド】3/10【亜空間収納】7/10【魔法】6/10【変身】9/10【回復地帯】3/10【結界】5/10【念話】4/10【召喚】Max【馬車長】2/10【錬金】5/10【料理】5/10【冒険者カード】Max【鑑定妨害】Max
魔法:【クリーン】Max【ライト】1/10【蜃気楼】4/10【潜行】1/10
召喚:【使い】Max
ユニークスキル:【育成】
称号:
従者契約:ボルト
名前: ボルト
分類: 雷獣(魔獣)LV35
HP:4254/4254 MP:4141/4141 ATT4447 DFE4274 SPD4507
スキル:【牙】8/10【隠形】8/10【念話】5/10【魔法】5/10【変身】3/10【眷属召喚】4/10【気配感知】6/10【魔力感知】6/10
魔法:【火】2/10【風】2/10【雷】7/10【闇】5/10
ユニークスキル:【影操作】【鑑定妨害】
称号:馬車の従者 ドラゴンキラー
称号も増えてるよ。
『ドラゴンキラー』:ドラゴン系と対する時、攻撃・防御・速度・魔法力が1.5倍になる。
1体目を倒してこの称号を獲得したから勝てたんじゃねーの? この称号が無かったらボルトの奴、死んでかもしれないな。ヤバいよホント、頼むぜー。
『あんまり無茶しないでくれよ。さぁて帰るか、ボルト引いてくれるか?』
『御意。』
地龍3体と飛龍を収納し、さっき休もうとした場所まで帰って来た。