第7話 最初のゲーム
迅「それにしても、他の人達はまだなのか?」
壁に凭れていると、ドアが開く音がした。見てみると、市香が立っていた。
迅(そういえば、名前の中に織田 市香って名前もあったな。でも・・・確か名前の中には・・・。)
清志「また会ったな。迅だったか?」
迅「はい・・・。」(やっぱり奴も居たか・・・。)
内心がっかりしながらも、まあ良いかと思った。それから何分か経って、迅達を合わせて9人集まった。あと1人なのだが・・・。手下がトランシーバーで誰かと話していた。
手下「はい。わかりました。はい。それでは、もう中に入れます。」
手下がドアを開けると、ドアの奥に手を伸ばして
手下「さぁ。早く中に入れ。」
迅「?まだ9人だから1人足りないんじゃ・・・。」
手下「ルール違反だ。」
一瞬自分に言ってきたと思ったら
手下「そいつは、先程ゲームに参加したくないと言って、時間内に此処に来なかった。当然それは、ルール違反となる。だから腕輪によってそいつは、もう死んだとさっき連絡が来た。」
じゃあこの腕輪も・・・そう思うと、少し怖くなってきた。皆は言われた通りに、部屋の方に入っていった。市香を見ると、清志の腕に捕まっていた。どういう訳かそれを見て、悔しいという感情が出た。部屋に全員が入ると、ドアが閉められた。上に付いているTVが付くと、ゲームの説明が始まった。
TV「それでは今回皆様に参加して頂くゲームは、数当て勝負ゲームです。」
迅「数当て?」
清志「勝負?」
市香「ゲーム?」
TV「ではルールを説明します。まず皆様には紙10枚を配ります。」
手下が皆に小さな紙を渡された。大きさは文字1つぐらいしか、書けなさそうな大きさだった。
TV「なので合計は100枚になると思います。」
迅(でも1人いないから、90枚か。」
TV「そして、その紙に1〜5の数字のどれかを好きなだけ書いて下さい。但し全ての紙に書くこと、そして1と5は絶対書くこと、これは決定です。この2つ以外なら別に書かなくても良いですし、書いても良いです。そして、書き終わりますと箱の中に、自分で入れて下さい。その後こちら側が箱を揺らして、混ぜますので、皆様は1〜5の内のどれかの数字を言って頂いた後引いて頂きます。当てましたら、その場でまず1勝です。当てなかったら、その数字で勝負に挑んで頂きます。強さは1が弱く5が強いと考えて下さい。つまり数字が大きい方が勝つ、という事です。但し1は5に勝てます。そして、1番数が大きい人もしくは、5があって1があった場合は、1の人がその勝負で1位という事になります。但し1が5に勝てるのは、その勝負で1回だけです。つまり誰かが1を引いてしまいますと、その場でその人は勝ち決定ですが、その後誰かが1を引きますと、1番弱い数字になりますので、数字を当てなければ負け決定です。勝負は全てで10回戦。1番最下位数が多い方は、此処で死んで頂きます。最下位が2人居る場合は、2人で3回戦して頂き、負けた方が死にます。つまりこの中で1人だけ、但し1人は絶対死ぬ事になります。これで以上です。」
TVはプツンと切れた。その後手下からボールペンを渡され、紙に数字を書かされた。迅は適当に1〜5を2回ずつ書いただけだった。バッと箱に紙を入れた。皆入れ終わると、手下が穴を塞ぎ、まるでバーの人みたいにシェイクした。皆は円になってその真ん中に箱を置いた。
辰馬「取り敢えず、まずは自己紹介でもしましょうか。俺は橋下 辰馬。」
魁斗「俺は白井 魁斗。)
比留間「俺は松田 比留間。」
春華「私は蛭田 春華。」
敏信「俺は春田 敏信。」
美郷「松本 美郷。」
そして3人も自己紹介をした。引いていく順番は、自己紹介順で引いていく事になった。
迅(俺が最後かよ・・・。)
そう思っていた。
辰馬「じゃあまずは、俺からだな。5!」
引いたのは2だった。この勝負ではほぼ負けた様な物だった。
魁斗「今度は俺か。じゃあ4。」
引いたのは4だった。
魁斗「よっしゃ!!じゃあこの勝負はもう安心だな。」
比留間「3。」
引いたのは5だった。この場合は別に当たらなくても、安心出来る数字だ。比留間は外れたものの、ホッとした。春華は2と言って3。敏信は4と言って2だった。
清志「よし!5!」
引いたのは5だった。
迅(5だったら、別に予想しなくても良いだろ・・・。)
市香はあまりゲームをよく分かっていないのか、1と予想した。今5が出ているから1番強いのは1。つまり予想しなくても良いという訳だ。
市香「うぅ。」
なかなか手を出さなかった。皆から睨まれているのを見ると、直ぐに手を出した。数字は1だった。
市香「や・・・った。やったー!」
市香は喜んでいたが、迅は喜んでいられなかった。1が無力化した以上1は引けない。2もだ。簡単に言うと、さっきまでは2が最下位の数字だったが、1を市香が引いてしまったから、1を引いてしまうと迅だけが最下位。2を引いても、辰馬・敏信と共に最下位に落ちてしまう。此処では3以上を引かなければならない。しかし、5分の3は当たりなのだから、確率で言うと外れを引く確率の方が少ない。迅は勇気を出して引いた。
迅「うっ。2・・・。」
連続で1は・・・と思った迅は、2を選択した。そして引いたのは
迅「い・・・1。」
これによって迅は、1人だけこの勝負で最下位になってしまった。でもまだ1回戦目だ!と思い、次の勝負を始めた。