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人類削減ゲーム 〜Mankaind reduction game〜  作者: 新異瑠利
5章 障害物競走ゲーム
22/27

第22話 地雷の次は矢。矢の次は槍。

明かりが点き前の壁が上に開いた。だが目の前に広がったのは、唯長く続いている廊下だった。

TV「皆様が行いますゲームは、障害物競走ゲームです。ルールはあらゆる障害物を避けてゴールまで行くという障害物競走と変わりません。しかし競走ではありません。制限時間はある時もあれば無い時もあります。それはタイマーで見分けて下さい。それではスタートです。」

TVの電源が切れた。周りを見渡したがタイマーは無かった。1人が廊下を走った。それに続いて次から次へと人が走った。まるでヌーの大群だ・・・迅は思った。

「何もねぇじゃねぇかよ!」

半分まで走り切った男がそう叫んだ途端、壁に穴が空いた。シュッと空気を分ける音が聞こえると、男のこめかみに矢の様な物が刺さった。それはこの男だけじゃなかった。他多数の人のこめかみに矢が刺さった。

迅「マジかよ・・・。まだ10分も経ってねぇぞ。」

残りはまだ居たが、数える程しか居なかった。その全員に共通している所は、一歩も踏み出していないという事だった。迷いが命を長くしてくれたのだ。だがこのままでは確実に死ぬ。向こう迄どうやって行くか、それが真の生還だ。

迅(特攻する他無いか。)

迅は猛ダッシュで向こう側のドアに向かった。矢が直ぐ横まで来ていた。

迅「くっ!」

顔を下にして避けた。そこで暫くしていると矢が当たらなかった。撃っては来ているのだが、高さが顔に合わせてあるので、伏せていると当たらなかった。

迅「そうか!これなら!」

迅は軍隊の様に匍匐前進で進んだ。矢に当たらない迅を見て皆マネをした。皆も当たらなかった。

「こんな方法が!」

「すっげえ!楽勝だ!」

皆が歓喜の喜びを上げていた。時間はかなり掛かったが、何とかあのあと生き残った人達を全員助かる事が出来た。

迅「よし!これで第一関門クリア!以外と簡単だったな・・・。」

ドアに辿り着きガチャっと開けた。パッパッと一つずつ明かりが点き始めた。先の方まで点くと、床から無数の槍がガサッ!ガサッ!と上に上がったり、下がったりしていた。天井からも同じ様に、槍が上から下がったり、上がったりと槍が動いていた。タイミングは同じで、下手すれば上下共に刺されて終了・・・。

迅(いや!俺は生き残る!)

後ろからガチャッと音がした。別のドアから人が入ってきた。

「何だよ!今度は槍地獄ってか!」

「もうこんなの嫌!」

総勢10数名の人が入ってきた。その中に市香が居た。

迅「市・・・香。」

市香「!?迅さん!?」

こちらに走ってきた。顔をキョロキョロ動かしながら

市香「そちら側には清志さんは居ないのですか?」

迅「実は・・・。」

迅は地雷踏まないでゴールゲームの事を全て話した。市香の目からは涙が出ていた。顔を他所に向け、下唇を噛んでいた。

迅「ごめん・・・。俺が殺したのと同じだ・・・。」

市香「いえ。決して迅さんは悪くありません。そもそもこんなゲームが無かったら、こんな事は・・・・・・。」

市香の目は怒りに満ちていた。おぉぉぉぉ!!と声が聞こえた。2人は声のする方へ顔を向けた。

「進まなきゃ!先に進めねぇ!!!」

その男は何も勝算も無く飛び出していた。槍同士が離れた瞬間バッ!と飛んだ。半分までは良かったが、ガサッ!と運悪く槍が閉じた。一瞬で男は穴だらけ。その後は当然血が槍を伝って床に落ち、槍が開いたと同時にバタンと男は落ちた。市香は口を抑えた。他の皆はその光景を見て、戦意を失ってしまった。

「終わった・・・・・・・・・。」

「こんなのクリア出来る訳が無い!」

迅(確かに終わったかもしれない・・・。こんな鬼畜ゲーム・・・。)

迅は槍をずっと見た。ある微妙な異変に気が付いた。

迅「わかった。だがこれじゃあ誰かが死ぬ役しなきゃ・・・。」

市香「何がわかったんですか?」

迅「あの槍は血に反応するらしい。あの男が死に血が槍の入っている穴に入り、槍が穴に入ると、槍は暫く動かなくなるんだ。つまり誰かが犠牲になり槍に刺されると、暫くしたの槍は開いたままという訳だ。」

市香「そんな・・・。誰が犠牲に・・・。」

迅は俺・・・と言いかけると、横から今の話を聞いた者が近付いてきた。

「俺が行こう。」

肩に手を掛けて来たので

迅「誰だよ!お前!」

振り向くと、そこに居たのは自分の担任である副山先生であった。

迅「せっ!!!先生!!何で先生が!!」

真治「俺もこのゲームに参加してるんだ。お前は死ぬ必要は無い。だから俺が行く。」

迅「先生!別に先生が死ぬ必要も・・・。」

真治「あぁ。あの時死ぬ理由も無いと言ったが、今回は先生として生徒を助けるそういった当たり前の事をしようとしているだけだ。」

真治は胸を抑えフーッと深呼吸すると

真治「いいか!俺が死んだら一斉で君たちは向こう側に行け!良いな!」

ざわざわとした。真治は槍と向き合い突っ込んだ。

迅「先生!!!」

真治は槍が開いている時にダッシュで槍地獄に入っていった。槍は閉じ、真治は無数の槍によって、一瞬で屍と化した。迅は大声で槍に向かって走った。市香は何が何だかわからなかったが一緒に走った。それに続いて他の人達も走った。予想通り槍は動かず暫く止まっていた。2人はドアに手を突きはぁとため息を付いた。後の人達も次々とクリアして行った。だが中には間に合わず犠牲になった人が約20人居た。

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