第19話 地雷
チャイムが鳴った。また海南斗の声だった。
海南斗「見たか?お前達の状況を全世界に知らせた。別にそれだけなら、それが?ってなるだろうが、俺が最後らへんに言った言葉DVDにするという事だ。つまりお前達の行動は撮られている。だからゲーム中反則をしないようにな。その腕輪は確かにゲームに行った時点で、自動装置は解除されるが、撮っているという事は、こちらにはお前達の姿が24時間ずっと見えてるって訳だ。だからゲームで反則をした時点で、こちら側から腕輪を操縦してお前達を殺す。わかったな。以上だ。」
3人がチャイムに気を取られていると、ベッドが突然バサッと音がした。迅がベッドに倒れた音だった。
迅「あの時・・・死んでおけば・・・。こんな苦労をする事もなかったのに。」
最初の自殺の事を思い出した。電車に轢かれようとした所を、担任の副山先生に止められた。何故あの時自分を止めたのかわからなくなってきた。多分先生として止めたんだ。そう思ってきた。
迅「死にたい。次のゲームで死のうか・・・。」
市香が必死に迅を慰めた。
市香「大丈夫よ!絶対生き残れるわ!」
死んだ魚の目をした迅には、その説得が届かなかった。清志は呆れた様な目をした。
清志「死ぬなら勝手に死ぬんだな。」
清志の冷たい言葉を聞いて、胸が苦しくなった。見捨てられたと迅は思った。体を起こした迅は下を向いたままだった。柊花はまだ下を向いていた。暗い表情も変わっていなかった。
清志「俺達は生きたいと思っている人間は殺したくない。かと言って、死のうとしている者を無理して止める事はしない。」
迅に顔を近付けて
清志「お前は生きたいのか?それとも死にたいのか?」
迅は黙秘した。
清志「そんな奴だったんなら、朝のゲームの時にお前と戦ったおっさんが生き残って、お前が死んだ方が良かったな。」
清志の言葉に柊花は怒った。
柊花「やめて!!お兄ちゃんが死ねば良かったとか言うのはもうやめて!!」
清志「こいつが悪いんだ。そんな考え方だと明日のゲームで負けるぞ。」
迅は何も言わなかった。
市香「言い過ぎじゃ・・・。」
清志「いや。これが普通だ。良いか?よく頭を冷やせ。わかったな!」
部屋を出て強くドアを閉めた。市香も気不味そうに出ていった。
迅「柊花も帰ったらどうだ?」
柊花「嫌だ。お兄ちゃんと一緒に居る。」
迅「そうか。風呂に入ってきたらどうだ?鉄臭いぞ。」
柊花「わかった。」
ベッドの大きさ的に、2人が寝る事は出来そうだ。柊花はシャワーを浴びて、風呂を出た。ベッドに入りそのまま寝た。そして起きた。何時も通りTVを点けて、朝という事に気付いた。TVの音で柊花が起きた。
迅「早く部屋に帰れよ。何時チャイムが鳴って、次のゲームが始まるかわからないからな。」
柊花「わかった。」
柊花は歩いて部屋に帰った。10分後チャイムが鳴った。TVを見ると、今迄のゲームとは比べ物にならない程名前があった。
迅「なっ・・・なんだ?これ。バグったのか?」
移動部屋に行き、その部屋に移動した。移動部屋のドアが開くと、またドアがあった。そのドアを開けると、暗くて何も見えない部屋があった。ドアを閉め、暫くすると誰かが入ってきた。
???「何だ?此処は。」
声に聞き覚えがあった。
迅「清志?」
清志「その声は迅か?」
迅「一体今度はどんなゲームを・・・。」
今回は人数が多いからか、全員が揃う迄時間があった。60程で電気が点いた。部屋は無駄に横長かった。周りを見ると人ばかりだった。大体100人程であろうか。キョロキョロ周りを見ていると、後ろのTVが点いた。
TV「どうも皆様。これから貴方方にしてもらうゲームは、地雷踏まずにゴールゲームです。皆様絶対にそこから先に行かないで下さい。」
前の壁が上に上がった。上がった先は、学校のグランドの様な所だった。
「はぁ?何だこれ。」
1人一歩踏み出した。ドカン!と足が爆発した。残りの皆は片腕で、顔を守る様な体勢をとった。迅も同じ体勢をとった。手にべちょっと何かが付いた。見てみると、内臓らしき物が腕に付いていた。清志は腕をナイスキャッチしていた。
TV「そのグランドには、地雷が無数に落ちていますので、お気を付けて下さい。」
迅「説明が遅過ぎる!」
TV「時間は無制限です。向こう側の扉まで行き扉の中に入ると成功です。但し油断はしないで下さいね。」
電源がブチっと切れた。
迅「どうやってクリアすれば。」
清志「とにかく皆と協力する様にするんだ。」
迅「わっ・・・わかった。」
清志と迅の必死の説得によって、半分は協力する事になった。だが残り半分は説得に応じず、1人でやると言った。それは清志の方も同じだった。
清志「何人集まった?」
迅「26人。」
清志「俺の方は25人。」
迅「51人か。」
清志「よし!皆集まれ!制限時間は無いから、まずは作戦会議をしてから進むぞ!」
作戦会議が始まった。作戦会議は終わり皆勇気を振り絞って、一歩踏み出した。一歩目は何も無かった。こっから皆バラバラに進む事になった。