表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類削減ゲーム 〜Mankaind reduction game〜  作者: 新異瑠利
3章 人間真っ二つゲーム
18/27

第18話 人類削減ゲーム

〜迅〜

迅「そうか・・・。そんな事が。」

目を両手で拭う柊花を見た。右手で柊花の顔を抱えて、体にくっ付けてあげた。チャイムが鳴った。

チャイム「これにより今日のゲームは終了します。お疲れ様でした。」

迅「終わりか。良かった。これで今日1日安心出来る。」

柊花はまだ泣いていた。いくら泣いても、人の命に変える事は出来ない。そんな事百も承知だった。だが、いくら我慢しようとしても、涙を堪える事は出来なかった。ピンポーンと今度はインターホンが耳に響いた。柊花をベッドから、椅子に座らせてドアに向かった。

迅「あっ。市香。清志。」

清志「よう。迅。中に入って良いか?」

迅「え?今は・・・。」

柊花の泣き声が此処まで聞こえていた。

市香「誰か泣かしたの?」

迅「何でそうなんだよ。俺の妹だ。朝のゲームで人が死んでいって、それで今泣いているんだ。」

清志が中に少し入った。

清志「良いか?」

迅「あっ・・・あぁ。別に良いが・・・。」(何で俺の部屋が作戦会議室みたいになってんだよ。)

柊花を見た。まだ手で目を拭いていた。市香も中に入っていき、柊花の横に椅子を持っていき座った。溜息を1回してドアを閉めた。そして、柊花の背中を優しく撫でた。

迅「で?何か用か?」

清志「どうだったんだ?朝のゲームと今日の最後のゲームは。」

迅「いや。俺は朝のゲームしか出なかった。清志と市香は?」

市香「私は最後のゲームだけ。清志さんは、全部だったらしいわ。でも私が参加したゲームは、何とか死者0だったわ。」

清志「俺も死者0だ。」

柊花が頭を抱えて大声で怒鳴った。

柊花「そんな事出来る訳ない!!私の参加したゲームだって・・・・・、私以外の4人全員死んだのに!!」

清志「そのゲームだって何か全員を救う方法があったかもしれない。」

迅「俺の方は絶対無理だった。」

自分のベッドに座り込んだ。

清志「どういうゲームだったんだ?」

迅は朝の事を全て話した。2人は残念そうな顔をした。

清志「そうか。つまりその男は、事故で死んだという事か?」

迅「まぁ・・・そうなるが・・・・・・。俺も必死に抜こうとした。力不足だったんだ。」

市香が柊花の方を見て言った。

市香「この子の名前は?」

迅「柊花だ。」

市香「そう・・・。柊花ちゃんはどんなゲームをしたの?」

途切れ途切れになりながらも、ゲームの全てを教えた。

清志「初めての友達って、そのゲームで出来たゲームだったのか。」

コクッと深く頷き、下を向いたまま顔を上げなかった。部屋の中の空気が、重たくなってきていたが、また耳に響く五月蝿いチャイムが鳴った。

清志「嘘だろ!今日のゲームは終わったんじゃなかったのか!!」

チャイムがなり終わると、あの男の声が聞こえた。

海南斗「よう!TVの1chを点けてみろ。俺が遂にTVで、お前らの状況を説明した記者会見が今ニュースでしているぞ!」

迅は急いでTVを点けて、リモコンで1chにした。そこには、カメラのフラッシュで光っていた海南斗が居た。

海南斗「やあやあ。俺があのCHGを作った偉大なる人物 勅使川原 雅由樹の孫の海南斗だ!今新しいゲームを実行している、真っ最中なんだ。だから30億人が一斉に居なくなったんだよ!」

シャッターの点滅は、より激しさを増した。それを見ていた4人は腹が立ってきた。

記者「そのゲームは一体何というゲームなのですか?」

海南斗「人類削減ゲームとでも言っておこうか。今人類の数は増え過ぎて、食料問題、土地問題等が比例する様に増えていき、それが原因で戦争も年々増えてきているんだ。だったら簡単な話、30億人の人を一気に減らせばかなりそういった問題が減少すると思ってね。」

記者「やはり1人しか生き残る事が出来ないのですか?」

海南斗「いや。今回のゲームは別に何人生き残っても別に良い。」

1人の記者が立ちって、手帳を持って質問した。

記者「世界の人々は一体何が起こっているのかわかりません。人類削減ゲームでは、どの様な事が行われているのですか?」

海南斗「そうそう。その事何だが。」

机の下を漁って、書類を出した。

海南斗「それについては、このゲームが終わり編集が終わり次第、DVDにして売るつもりだ。ちゃんと全てのゲームが録画されている。」

また別の記者が立ち上がり

記者「今回のターゲットは一体どの様な方なのですか?」

海南斗「無差別だ。つまりCHGとは違い、この世界の誰かがコンピュータにより選ばれて、その人がゲームに参加するという訳だ。だがCHG優勝者は必ずこのゲームに参加する。しかし、CHG優勝者に子供が居れば、代わりに子供が参加するというルールになっている。」

この時迅と柊花は、親の事が急に憎くなった。迅はほぼ四六時中親の事が嫌いだったが、柊花は初めて親が憎くて、憎くて仕方が無い状況になった。迅は壁をグーで殴った。

迅「父さんの所為か!!母さんの所為か!!こんなゲームに参加させられたのは!!」

柊花は叫んだ。

柊花「生まれたくなかった!!何で私とお兄ちゃんが巻き込まれなくちゃいけないのよ!!」

2人口を揃えて言った。

迅・柊「父さん・・・母さん・・・嫌い・・・。」

迅「あの時死んでくれれば良かったのに。」

柊花「死んでよ。父さんと母さんの所為でこんな事になったんだ!!友達が出来ないのもその所為!!」

発狂している2人を、唯黙って見る他なかった。新藤と聞いて聞き覚えがあるなと思ったが、まさか第1回CHGの生き残りとは。要約新藤という名前を思い出した2人は、憎しみの塊となった2人を必死に止めた。

清志「落ち着け!迅!!」

市香「お願い!!落ち着いて!!」

迅と柊花の2人の目からは、波がポロポロ落ちていた。普通の家庭で生まれた2人は、犯罪者の子として生まれた2人の気持ちを理解する事は出来なかったが、このまま暴走させれば次のゲームの時必ず死ぬ。それだけは防ぎたかった。何とか2人の暴走を止める事が出来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ