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人類削減ゲーム 〜Mankaind reduction game〜  作者: 新異瑠利
1章 数当て勝負ゲーム
10/27

第10話 勝つ可能性

迅(こっ・・・これは!?)

箱に手を入れた瞬間にわかった。紙が全て折られていたのだ。真っ二つに折られた紙。角だけ折られた紙。丸められた紙。今箱の中にある37枚の紙全て、この3通りに分かれていた。

迅(そうか・・・。彼奴ら・・・。折り目を消せないなら、全て折ってしまう。そうすれば俺達は一体どれが2なのか、3なのか、1なのかわからない。くそっ!どうして俺はそんな事に気がつかなかった!)

悔しがるには遅過ぎた。もう打つ手がない。あるとしたら、自分が付けたマークだけ。こうなった場合は運勝負。運が良いものだけが生き残る。また振り出しに戻ってしまった。迅は諦めた。自分の運は今の所断トツに悪い。ここで運が一気に良くなれば良いんだが、まずあり得ない。

迅(終わったか・・・。今は・・・第6回戦目だっけ?残り5回戦。でもこれはもう終わりだから、残り4回戦。だから今ここで最下位になれば、俺は4回最下位になって他の奴らはまだ1回。つまり・・・良くても、他の奴と一緒の最下位数になって、また勝負をする事に・・・。でもそれは俺が今後負けなかったらの話だ。1度負ければ俺は・・・死。)

もう自分が負けると諦めていた。でもその話は、この勝負で負けた時の話だ。だから正確に言えば、あと2回負けたら駄目という事だ。そして、小声で2と言った。引いたら2だった。

迅「良かっ・・・た。」

ホッとしたが、まだ3回戦ある。しかし、まだ安心は出来ない。次勝てるなんて保証は無い。勿論その次もだ。しかし相手に対策された以上運に頼るしかなかった。

迅(やってやる!絶対に!)

気を取り直して前向きに考えた。そして7回戦目が始まった。7回戦目が始まる前に、清志と市香と話をした。

迅「それにしてもヤバイな。」

清志「あぁまさかその手があったとは、考えもしなかった。」

市香「どうするんですか?」

清志「もう運に身を任せるしかない。迅。お前は・・・。」

迅「運になったら俺はヤバイな・・・。」

という会話をしていた。

迅(自分を信じろよ!俺!自分を信じない者に、運が味方してくれる訳がない!!)

目を大きく開けた。

迅(今の所俺の書いた1、3、4はまだ合計で2枚しか引かれていない。ここから引かれていく筈だ。)

迅の予想通りだった。辰馬は外れで③だった。辰馬の顔を見て

迅(よしやっぱり奴らも俺等同様、紙が何なのかわからない様だ。)

そして、魁斗外れ4。比留間は何とか当たりで3。春華外れで①。敏信当たりで4。美郷外れで2。清志当たりで3。市香外れで4。迅外れで2。ギリギリ勝てた。この第7回戦目なんとか迅は勝てた。ホッと胸を撫で下ろした。

迅(良かった・・・。)

第8回戦目

辰馬「まあ俺はもう勝ち抜けた様なもんだからな。3。」

引いたのは3。

迅(俺が勝ち残るには・・・。まず1回しか最下位になっていない者がこの残り2回戦で連続最下位になったとしたら、3回。自分が最下位に1度も最下位にならないとしても、結局2人で最終戦をしなくてはいけない。だとしたら、最下位数2回の奴を狙わなくてはいけない。そして今。最下位が2回の奴は・・・。)

春華を見た。

迅(彼奴だ。彼奴しかいない。つまり俺は、彼奴を落とす事だけを考えなきゃいけないという事か・・・。それで俺とは真逆の最下位数0回の奴は勝ち抜けか・・・。清志は良いよな。勝ち抜けで。)

指を咥えながら清志を見た。

清志「どうしたんだよ。」

迅「なんでも。」

舌打ちしながら他所を見た。そうしている間に魁斗はもう引き終わっていた。当たりで数字は①だった。

迅(これで俺の仕掛けた①は無くなった。残っているのは、③④が1枚ずつ。)

この仕掛けは本当に運の仕掛けだ。しかし、最後まで残れば、必ず最後に当てる事が出来る。

比留間「2。」

引いたのは2。

比留間「っしゃあ!!」

迅は大きく深呼吸をした。そして自分の心を必死に落ち着かさせた。

迅(俺は勝てる!俺は勝てる!)

勝てるという確信は無いが、こう言っておかなければ心が落ち着かなかった。

春華「2。」

引いたのは1だった。魁斗が1を引いている為、春華は最下位確定した。これで最下位数3回。少なくとも、戦いが終わった後速攻で殺される事は無くなった様だった。でも迅も1を引いたら話は別だが・・・。敏信は当たりで2。美郷は外れで5。清志は外れで1。ここにきて始めて清志が最下位になった。市香は当たりで4。迅は外れで3。これでなんとか1の差まできた。これで春華は最下位数3回。

迅(これで良い。これで9回戦目と10回戦目の時に最下位になってくれれば。)

第8回戦目が終わり、清志と市香にこの事を話した。

清志「成る程。つまりあの春華という奴を落としたら助かるんだな。」

迅「あぁ。でも俺が落としたいのは、あの女性じゃなくて、あそこにいる3人組なんです。彼奴らは・・・。」

そんな事は不可能だ。今回は春華を落とす事にした。

迅(俺は・・・。俺は絶対生き残る!!)

深呼吸して、強く心の中で叫んだ。残り2回戦で勝つ可能性は出てきた。それを考えるとやる気が少しずつ出てきた。第9回戦目が始まった。

迅(残り2回戦は1度も最下位にならずに、終わらせてやる!)

最下位数(順不同)


新藤 迅 4回


織田 市香 1回


高野 清志 1回


松本 美郷 0回


橋下 辰馬 0回


蛭田 春華 3回


春田 敏信 1回


松田 比留間 0回


白井 魁斗 0回

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