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世界渡り

13話でございます

文字数少ないですがごゆっくりどうぞー


13話 - 世界渡り


ノエルちゃんのメガネを作った後は夕飯をご馳走になった。

驚いたことに、出てきた夕食はごはん。

米ですよ、米!

おかずにはこちらで一般的な肉料理や野菜料理のほか、唐揚げやとんかつ。

蒸留酒やワインなんかも出されたけどそちらは少しだけにしておいた。


うまかった。。。

故郷の飯が恋しくなるいい感じの味付けだった。


なんでも唐揚げは5年前に来ていたという先達が伝えていったものらしい。

なお、その5年前の先達の片割れがショコラさまの旦那という。


。。。爆ぜればいいのに。


なんでも大恋愛で、ショコラさまが王城を捨ててまで追いかけてきたらしい。

王女さまだったのか。どうりでこの気品。


なんていう惚気話を食事のときに聞いていたんだが、ところどころでリリーさまがツッコミを入れているのが微笑ましい。

ツッコミ入れられるたびにショコラさまは顔を赤くして反論してるけどその反応するからさらに弄られるんですぜ。


なお、ノエルちゃんは出来上がったメガネを気に入ったのかちょいちょい弄りながら俺のふとももの上で一緒にご飯を食べている。

さすがに食べさせなきゃいけないほど小さい子ではないので自分で目の前の皿からフォークで食べているが、たまに後ろにのけぞるような形で俺の顔の前に肉を刺したフォークを持ってくる。

「おにいちゃん、あーん」とかやられたらもうね!

どんな毒物でも口に入れる自信はありますぞ。


だがこれだけは断言する!

俺はロリコンじゃない!!!

おいそこ、事案発生とか言うな!


おなかいっぱいになるまで食事を堪能し、テーブルの上が綺麗に片付くころにはノエルちゃんはすでに俺によっかかったまま寝てしまっていた。

うん。お持ち帰りしたい。


「よほど気に入られたのですね」

「みたいですね」


リリーさまが微笑ましい笑顔でノエルちゃんを見ている。

それにあわせてショコラさまも微笑ましく見ていたが、寝ているノエルちゃんを俺の膝の上から下ろし、だっこしたまま部屋を退出する。

寝室へ連れて行ったようだな。


「それで、レンズさん。。。いや、(むつみ)さんでしたか。少々伺いたいことがあるのですが。」


テーブルの向こうで少し真面目な雰囲気でリリーさまが問いかけてくる。


「は、はい。なんでしょうか」

「あなた方が行っている『世界渡り』についてです。どのような手段で行っているのかを教えてはいただけないでしょうか?」


世界渡り。っすか。

まぁ別に知られてもいいか。


「これです」といってチケットを魔法の鞄(マジックポーチ)から取り出し見せようとする。

リリーさまが見せてと手を伸ばしてきたので渡そうとするが、すぐには渡さない。


「これを渡すと俺は言葉がわからなくなります。これが翻訳アイテムのようになっていますので」

「あらそれは便利ね。誰が使っても行き先で困らないようになっているのかしら。」

「みたいですね。文字も知っている文字のように見えますし、書こうと思ったらうっすらと浮かび上がってくるのでそれをなぞるだけでよくなります」


ふんふん。といった感じでうなずきながら俺の話を聞いているが、その実体は早く見たくてうずうずしている様子。

これ、俺の話ちゃんと聞いてるのかな。。。


「とりあえず見せますが、渡している間は俺はリリーさまと会話できなくなりますのでそれだけはご了承ください。」

「わかったわよ。」


チケットを渡した後、リリーさんがモノクルっぽいものをかざしてチケットを見ている。

さっきのとは違うけどたぶん鑑定アイテムなんだろうね。


リリーさまはなにかを多分しゃべっているんだろうけど、うん。まるでわからん。


思えば街にきてなんの不自由もなく会話できている所からおかしいとはおもったんだよ。

で、一度、いろいろいれてある魔法の鞄(マジックポーチ)を身から離してる時にセレンやシェレスさんの話がまったくわからなかったことからあのチケットが翻訳機能を持っていることをしった。

もういまでは手放せない。

言葉もわからないところで放逐されたら俺は生きて行ける自身がない。


あのチケットが他人にも通用するものなら今リリーさまが持っていることで、日本語がわかるようになっているはずなんだが。

他人では使えないものなんだろうね、きっと。


リリーさまが調査を終えたのかチケットをこちらに差し出してくるのを受け取り、再度魔法の鞄(マジックポーチ)にしまう。


「あーあー。通じますかー?」

「大丈夫ですよ。」

「なにかわかりましたか?」

「なにもわからないことがわかりました。」


リリーさまはうーん、といった顔で考え込んでいるがまぁ俺にはわからない領域の話だしなぁ。


「お役にたてませんで申し訳ないです」

「いえいえ。もともと見て何かわかるとは思っていませんでしたし。」


その後『世界渡り』についてのリリーさまの持論や研究内容などを聞いていると、結構なところまで研究が進んでいるがもう一歩の何かが足りないらしい。

まぁよくある話だと並行世界(パラレルワールド)だったりとか階層世界だったりといろいろな概念がある。

その辺を雑談がてら話していると、リリーさまの目はキラキラとしてもっと知識をよこせといわんばかりに食いついてくる。


そんな話をしていると、部屋にレイラさまとショコラさまが入ってきた。


「ノエルの面倒を見ていただいてありがとうございました。」

「いえいえ。こちらも楽しかったですよ。」


とショコラさまとやりとりをしたり、


「レンズさん、工房と店舗の件、早めに決断をお願いしますね」

「了解いたしました。持ち帰り検討させていただきます」


と、これはレイラさま。


「こんな夜遅くまでごめんなさいね。気をつけてお帰りになって。」

「はい、ありがとうございます」


とリリーさま。


3人に見送られながら部屋を出て、案内役の騎士さんに出口まで案内してもらう。

一人でも行けなくはないけど何かあったときのために一人で動かない方がいいでしょ。


門のところまで送ってもらった後はシェレスさんの工房にむかって夜の街を歩いていく。


夜風が冷たくて気持ちいい。


こっちの世界にいれる残りの時間は実質7日間。


例の豚くんはいつ行動に移すのかね。


仕事の合間にちょろちょろ更新。


今週中にもう一本くらいは書きたいものです。

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