元領主とその娘
だいぶ遅れました。。。
11話をお送りいたします。
11話 - 元領主と元姫さま
「というわけでお騒がせしました」
机の向こうでレイラさまが頭を下げている。
「いえいえいえいえいえいえいえ。問題が解決したのならそれで!」
ずっと頭を下げて上げようとしないレイラさまの後ろの騎士さん達に目でやめさせてくれ。と合図するが騎士さん達には通じなかった。
アイコンタクトなんてなかった。
どうにか話題を変えねば・・・
あぁ、そうだ。あれがあるな。
魔法の鞄から布に包んだ新しいメガネを取り出し、テーブルの上に置く。
騎士さんにどうぞ。と渡してもらうようにする。
たしかこういうのって直接渡しちゃダメなんだよな。うん。
騎士さんが机の上に置かれたメガネを手に取り、レイラさまに渡す。
そうするとやっと顔をあげてくれて、メガネを受け取り、まじまじとみている。
「これ。。。は、同じデザインですが完成度が高いですね」
「はい。盗まれてしまっていたので代わりのものを。と思い作成いたしました。出来はこっちの方がよくなってしまいましたが」
「なるほど。付けてみてもいいですか?」
「どうぞどうぞ。付けていただくために作ったのですし。」
かけているメガネを外し、新しく渡されたメガネにつけかえる。
いやーやっぱこういうメガネ外す仕草とかいいよねぇ。
可愛い子だと余計に映える。
「そういえばレンズさん。一つ質問をしていいでしょうか?」
「はい?なんでしょう?」
新しいメガネを装着したレイラさまがキリッとした表情でこちらに質問を投げかけてくる。
シェレスさんは隣でさっきから我関せずといった様子。
レイラさまの後ろの騎士達はレイラさまの頑張ってキリッとしていますといった雰囲気にほのぼのしている。
それが萌えの第一歩なんだぜ?
「あの、ジェロルドさんとその執事さんの二人。なんでこのメガネをつけたら頭痛になっていたんですかね?やはり呪いですか?」
あぁ、そのこと。
「レイラさま用に作ったメガネが他の人に合うわけないじゃないですか。単純に目が疲れて頭痛になっただけですよ。一晩も寝れば治ります」
よく新しいメガネを作った日は頭痛になったっけなー。
メガネあるあるだよね。
「そういうものなのですね。」
「まあ呪いということにしててもよかったんですけどね。」
「わかりました。ではあまり長い時間付けておくのはやめておいた方がいいですね。」
「そうしていただけると。」
だいぶ気に入ったようでニコニコしながらメガネを弄っているレイラさまは見てて癒される。
「メガネというものについては人によって調整が必要という認識で合っていますか?」
「はい。ある程度強引に使うことは可能な人もいますが基本的には人に合わせて調整をする必要があります」
「なるほど。ではオーダーメイド品になるということですね」
「そうですね。ただフレームは人によってということはないので数を作っておいてその中から選ぶといったことができます」
「なるほど。そのフレームもデザインの希望があれば自由に注文できるということですね」
「そうです。気分でも変えられるし用途によっても変えられる。隣に立つ異性にあわせたメガネというのも出来ますね」
「なるほど。それはいいですね。」
レイラさまが気になっているところに対しての質疑応答が終わったところで少し考え込み、その後後ろの騎士達になにやら耳打ちしている。
おい、そこの騎士。顔が赤いぞ。
耳打ちされた騎士は一度部屋の外へ出て行き、なにやら紙を持って部屋に戻ってきた。
それを受け取ったレイラさまはテーブルの上にそれを置き、こちらへ渡してくる。
「レンズさんの提唱する『メガネ』というものは把握いたしました。工房及び店舗の作成及びダンゴール領での販売の許可を与えます」
渡された紙は認定証書のようなもので、ダンゴール領のどこでも販売することができ、店舗を持つことが出来るという証明書。
これでメガネの布教活動が捗るな!
とか思いたいのだが。。。俺、もうすぐ帰っちゃうんだよな。
うーん。どうしよう。
「まぁ深く考える必要はないんじゃないか?権利を受け取ったというくらいで思っておけばいい」
「そういうものですかね。。。」
「そういうものだ」
「なお、この街で店舗や工房を開く際、ヘイムワトルさんの使っていた工房や店舗を提供する用意があります」
なんですと。。。
正直あの豚くんのやらかしたことで風評被害とかがひどそうだ。主に物件の。
「。。。少し考えさせてください。」
「はい、わかりました。」
そういってレイラさまは微笑む。
癒されるなぁ、その笑顔。
とか、店かぁ、どうすんかな。とか物思いに耽っていると、応接室の扉が開き、一人の女性が部屋に入ってきた。
「双黒の人がいると聞いて。」
勢いよく入ってきたのは50くらいのいかにも奥様!ってかんじの女性。
ピンク色の髪の毛とはさすがファンタジーだわ。
「お母様。さすがにそれはお客様に失礼じゃありませんか?」
「あら、ごめんなさい。私はここの元領主でこの子の母のリリー・ダンゴールと申します。」
「ご丁寧にありがとうございます。レンズ・グラシールです。」
お互い自己紹介を済ませるとリリーと名乗った女性が騎士だけでなく、レイラさまやシェレスさんに部屋から出て行って欲しいと告げる。
な、なにがおこるの。。。
向こうの方でお母様、おいたはだめですよ!とか物騒な台詞が聞こえる。
え、なに、食べられちゃう系?
いやん。
「さて。他に聞いている人はいません。盗聴防止の魔法もかけてあります。」
「は、はぁ。」
「あなたのこと。。。正直に教えて。。。?」
おおおおおお?
これはまじでそういう展開なのか!?
ちょっと体型があれだけど人の事は言えまい。
ごくり。。。
「あなた。本当の名前は?」
what?
え、なに?なんで?
「え、いや、先程もいったとおr「嘘でしょう、それ」なんですが。。。え、っと。なんでか伺っても?」
うーん。完全にばれてる系だな。これ。
「。。。植原睦と申します。」
「まぁ、やはり日本の方なのね!!」
!!!
日本をしってる。。。だと。。。。?
どういうことだってばよ。
「その黒髪はこちらにもいるとしても、双黒といって髪、瞳が共に黒い人というのはこちらにはいないんですよ。」
「なんと。。。まぁ。」
「私の旦那も元は黒髪でしたし、黒瞳でした。ということは同じ故郷の人の可能性が高いということで。。。ね?」
「その旦那さんというのは、やはり」
「はい。日本の方です。」
髪の色と同じくらい頬を桜色に染め、いやんいやんとしている50代熟女。
ある一部のマニアには受けそうだ。
「旦那と結婚したときに、小鳥遊桜という名前もいただいています。」
「あぁ、完全に同郷の人ですね、それ。」
桜という言葉が出てくることがもうね。
「あの人の弟子達がこっちに来たのがもう5年も前になりますか。私もおばあちゃんになるはずですよね」
「いやいや、まだお若いじゃないですか」
「あら、ほんと?なら旦那の所におしかけちゃおうかしら!」
とかクスクスと笑っている。
「というかお弟子さんがこっちに来て出会うなんて物凄い奇跡ですよね」
「ほんとね。お弟子さんとお孫さんの二人できたのよ。可愛い子達でね。あぁ、そうそう。その孫とうちの娘が結婚しているのよ」
なんですと。。。
リリーさまがなにやら右手の指輪に「応接室にいらっしゃい」と話しかけている。
通話の魔道具かなにかかな?
しばらくリリーさまと雑談をしていると扉がノックされ、どうぞ、とかけた言葉と同時に小さな女の子といい感じの年齢の女性がはいってきた。
「おばーちゃん!きたよ!」
「はい、いらっしゃい。でもお客様の前だからお行儀よくね?」
「はい!」
幼女。
。。。いや、幼女にハァハァするような性癖はないぞ。
事案発生しても困るしな!
後ろに立っている女性もお嬢さまがいい方向で年齢を重ねたらこういう感じだろうな。といった雰囲気を身にまといすっと綺麗な立ち姿でリリーさまのそばにいる。
「はじめまして。ショコラ・ダンゴールと申します」
「あ、はじめまして。えっと、この場合はどっちで名乗ればいいんだろう。。。レンズ・グラシールを名乗っている植原睦と申します」
もうなにがなにやら。
わけがわからないよ。といった状態。
「わたしはノエルだよ!」
リリーさまの膝の上にちょこんと座っている幼女も自己紹介をしてくれた。
うん、和む。
「それでショコラさまがここにいらしたのはなにかお話でも。。。?」
「あ、はい。少々ご相談がありまして。。。」
そうしてショコラさまから告げられた話は驚愕の話であった。
仕事が。。。仕事が。。。
いえ、決してパズドラにはまってたりプラモを作り始めたなんてことはないですよ(;´Д`)
こんな不定期更新でも読んでくれている方に感謝です!




