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馬鹿ボンボンと敏腕執事

9話が書き上がりましたのでご覧ください。

ペースも遅く文字数も少ないですが見に来ていただけている皆様に感謝!

ではぜひお楽しみください。

9話 - 馬鹿ボンボンと敏腕執事


「しっかし、どこにいったのやら。」


工房のテーブルで水を入れた桶を用意し、あの精霊がやっていたようなレンズ研磨を試みながら物思いにふける。

洗濯機の様に水全体を動かすことは可能だが、上下分離させて逆回転なんていう技は俺には出来ないことがわかった。

ぐぬぬ。


しょうがないのでまたあの声だけお化けを呼び出して研磨してもらおう。


「というわけで出て来い声お化け」

『とうとう省略され始めた。。。』

「まぁ気にするな。すまんが前回のと同じものをもう一個作って欲しい」


しょぼーんとした雰囲気だけがわかるが精霊はきてくれたようだ。


『くすくすっ。高いよ?』

「金取るのかよ!?」

『くすくす。お金なんかいらないよ。あなたの。。。魔力ください』

「お、おう。」


なんかドキッとした。

一瞬潤んだ目での上目づかいのおねだりが幻視された。

なにそれ萌える。

そのうち精霊が見える効果をもったメガネなんかを作ってみるかな。


身体の中にある魔力のうち、3割程度を取られたが、レンズは前回のものより綺麗なものができた。

調整液に漬けて調整(アジャスト)をし、レイラさまに合うように湾曲率を調整する。

さらに【視界調整】、【回復(小)】、【知力向上(小)】の効果を付与(エンチャント)していく。


これをフレームにはめ、微調整をして、新しいメガネの完成。

付与(エンチャント)でなら俺でもこういう使える効果も使えるらしいということに気づいてからは自重しなくなった。


今度は盗まれないように布に包んで魔法の鞄(マジックポーチ)にしまう。

これで大丈夫なはず。

明日にでもレイラさまの所に持っていくか。


----


「ほう、これがダンゴール領の新たな商品か」


目の前の机にはここダンゴール領で新たな商品となるアイテムがいくつか並んで置かれている。

坊ちゃまはそれを手にとっては興味なさそうに投げ捨てている。

こう次々と新商品が出てくるからうちの領は貧乏なんだ。と喚いているがめんどくさいので放置する。


しかしこれらはなんなのだ?


坊ちゃまが依頼をして盗ませてきた奴は無口でほとんどなにもしゃべらなかった。

大泥棒とか言われているのなら使い方などの情報も盗んでくればいいものを!と相変わらず坊ちゃまはうるさい。


「報告。これらが価値が高かったもの」とだけ言って依頼料を受け取ったらさっさといなくなってしまった。


まずは数字の書かれた板の上を針状の棒がゆっくりと動いているものを眺める。

数字は下半分に1~7までが書かれていて、上半分は無地になっている。

1~7の数字の上に棒が来たときにちょうど教会が鐘を鳴らすようだ。

そして、7の数字になるころにはもう日も暮れて教会の鐘も鳴らなくなる。

鐘が鳴るタイミングが書かれていることにより、一日のうちどれくらいが過ぎたかがわかるアイテムか。

ふむ。このアイテムを指針に動けば一日を無駄に過ごすことはなさそうだ。

1の鐘と同時に坊ちゃまを起こし、2の鐘がなるまでに朝食を食べさせる。その後4の鐘がなるまで訓練をさせ、昼食。5の鐘から7の鐘まで勉強。とさせれば毎日規則正しい生活がおくれるな。

それにはうちの領もこのアイテムにしたがって鐘を鳴らすようにしなくてはならないが、大した問題でもないだろう。


次のものは、なにやら筒状のものに魔石が埋め込まれているもの。

魔石に魔力を通してみると筒の中から暖かい風が勢いよく出てくる。

竈の火を強くするふいごみたいなものか?

これの使用方法はよくわからないな。


最後のは。。。これはなんだ?

透明な部分は水晶か?それがミスリルで繋ぎ合わさっている。


手にとって覗き込んでみたりすると、水晶越しだと向こう側の物がよく見える。

あぁ、モノクルみたいなものか。

なるほど、この部分を耳にかけるとこっちが鼻の上にのり、目の前にこの水晶がくるようになっているのか。

ここ数年見えづらくなっていた視界が綺麗ににクリアになる。

なるほどなるほど。これはいいな。事務仕事も捗りそうだ。

これはしばらく私に使わせてもらおう。

どうせ使用した感想を領主様に伝えなくてはならないんだろうし。


----


わざわざお忍びで隣の領まで来て発展している理由を探ることになってはや数日。

付添いに連れてきたのは執事長だけだから羽目を外せると思ったら考えは甘かったらしい。


市場調査とかめんどくさいから裏ギルドを通して雇った泥棒にめぼしいものを持ってくるように命じる。

一晩かけてその泥棒が持ってきたものは使い道のわからないへんなガラクタばかり。

これがこの領の新たな商品とかよくわからん。

が、こんな風に続々と新しいアイデアが出てくるから技師はみんなうちの領ではなく、こっちの領に集まるようになってしまう。

執事長は集められたものを興味深く見ているが俺にはよくわからないものなので正直興味はない。


もういっそ戦争でも起こして領地ごと奪い取っちゃえばてっとりばやいのに。


部屋に戻ってダラダラとすごし、夕飯の時間である鐘が鳴り響くころに食堂に移動する。

あぁ、食堂といっても宿の一回にある大衆食堂じゃないぞ。

一階を丸々借り上げているからそのうちの広めの部屋を食堂にしている。

そこに並べられた料理はここダンゴールや、王都、果てはその先のアルファミラのものが多く、うちの領には入ってきていない料理ばかり。

ここでもうちの領との差が見える。


なんでここだけこんなに栄えているんだ。

むかつくな。


10年ほど前に一度だけ会ったことのある現領主のレイラ・ダンゴール。

あいつにこんな風に発展させる才覚なんてのはないだろう。きっと裏にもっと政治や経済に詳しい奴がいるはずだ。

そいつを引き抜いてしまえば。。。


などと考えていると執事長が頭を抑えながら食堂に入ってきた。


「ジェロルド様、お待たせしました。。。」

「バーナード、調子が悪そうだが大丈夫か?」


頭痛が激しいのか、目を細めた状態で大丈夫です、と返事をし、席へ座るのを見て俺も椅子に座る。

目の前に置かれた料理をフォークでぶっさしながら口へ運ぶ。

本来敵となるべき領の料理だから貶したいのだが、味はうまいから腹が立つ。

まぁだが料理に罪はない。ということで目の前の料理をどんどん平らげていく。


ふとバーナードの方を見ると頭痛と戦いながら食事を続けていたようだが、ガシャンという音と共に机に突っ伏すように倒れこんでしまった。


「おい!バーナード!!大丈夫か!!」

「すみません。。。少々頭痛がひどくて。。。先に部屋で休ませていただいてよろしいでしょうか。。。このお詫びはいずれ。。。」

「よい!早く部屋へいって休め!」


周りの給仕たちに命じてバーナードを部屋に運ばせ、ベッドに寝かせる。

ベッドに寝ているバーナードを改めて見ると、顔に先程机の上に並べていたアイテムをつけていた。

机につっぷした際についたのだろう、食事で使われていたソースやワインなどがついてしまっている。

それをバーナードの顔から外し、タオルで軽く拭く。


ふーん、あーやって使うものなのか。


顔にあて、覗き込むと視界が綺麗に写る。

あぁ、なるほど。こういう道具か。


バーナードが倒れている間、俺が借りようか。


。。。


そういや今バーナードが倒れてるってことは、俺、自由じゃね?


ヒャッハー!

街へ繰り出すぜー!


というわけで新キャラ登場です。

まぁレギュラー化はしないと思いますが。。。


明日の20時の分まで予約投稿してあるのでお楽しみに!


これからもメガネをよろしくお願いしますっ

#カタナの方も是非!

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