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何気ない会話
宏から連絡があってからもう6時間過った。
「聞いた~?宏が別の高校に行っちゃったって」
登校時、小百合が俺にそんなことを言ってきた。
「ああ、昨日電話で聞いたよ……でもさ心配なんだよな」
「心配だね……」
小百合も同じ事を思ったのか同じ言葉を発した。宏はけっこうチャラいイメージなのだが‥‥
「あいつはなんとかなるんじゃないか?」
後ろにいたアルスが当然と言い切るようにそう言った。いや駄目だ。
「あいつは人見知りなんだ。」
「………」「………」
周りが静かになった。俺らの前では元気な宏だが、知らない人が居ると挙動不審になるのだ。果たしてやっていけるのだろうか。
「彼の能力でなんとかなるんじゃないかしら?」
コボルトがぼそっと言ってきた。
「なんとかなるといいんだが‥‥」
話しているうちに、学校の前まで来ていた。
「あれ?」
俺はふと思いだした。
「コボルトはどうするんだ?……だいたい分かってるが」
「この学校に転校して来たって所なので、ここに通うことになったわ」
わお………