これが俺の日常生活のはずだった
天上界
「おいテンス!これはどうなっているんだ!」
豪勢な部屋に一人の青年が怒鳴りながら入ってきた。その青年は息が荒れておりテンスと呼んだ少年を睨んでいる。
「んー?なにがー?」
テンスと呼ばれた少年はイスに座り……テレビゲームをしていた。
「なにがじゃねぇよ!しかもなんでゲームやってるんだよ!」
ゲームをやってる少年を目にし、さらに怒りがます青年。
「いやー、熊田さんが持ってきてくれてさー」
テンスは全く気にせず軽く受け流す。
「くそ‥…あとで熊田に文句言ってやる……っ!」
青年は口を後洩らせてぶつぶつ何かを呟いていたが、おとなしくなった。
「……で、エンドワールドのことだろ?」
突然少年が真面目になり、青年に話しかける。
地上界
「ふぅ……全巻制覇っと」
俺は放課後の有意義な時間を漫画に費やしていた
「このマンガ、ストーリーがマンネリ化して、突然バトル路線に
行ってしまったのが間違いだった・・・」
俺は漫画評論家(笑)みたく漫画を評価し、全部の巻を読んだことの余韻に浸っていた。いや、面白かったよ?この漫画。むしろ好き。
「漫画はいいよなーなんか自由でさ・・・」
自由っていいよなあ・・・特に世界観とか最高だよなあ・・・突然勇者になるとか突然何か秘めたパワーが覚醒するとか、思い出すにつれて最強になっていく主人公とか色々と面白い内容が多い、最後のラノベだけど。
「さてと、宿題でもするかね・・・」
漫画を本棚にしまい、宿題を机の上に出した。やりたくねえなぁ・・・でもやらないと先生に怒られちゃうだろ!!と一人で自分の悪と善が戦っている。いつも悪が勝つけど。
「漫画好きだけど漫画の世界には行きたくないなー」
独り言を言いながら宿題を片付け始める。
少し前 天上界
「なるほど……話は分かった」
テンスはゲームをするのをやめ、話を聞いていた。
「とりあえず、ゲームしていい?」
「おい!今の話を聞いてなかったのか!?好奇心旺盛なエンドワールドの奴らが暴行に!!」
「それなら大丈夫だ、策は打ってある」
青年の粗さとはとは違い、テンスは少し笑っていた。
「で、策ってのは?」
青年は尋ねる。
「シーラネ」
「おい!!」
「短気だなあ・・・上の奴らが何とかしてくれるだろうさ」
地上界 朝
目覚まし時計の大きな音が部屋全体に広がる。
「ん─むにゃむにゃ…」
眠いなあ・・・朝か・・・寝よう。僕の意志は固いんだ!!
ガチャッ
突然部屋の扉が空いた。風かな?うん、風だ。おやすみ。
「春人、朝だよー!起きて!」
部屋の入り口付近から女の子の声が聞こえてくる。幻聴だよなあ・・
「んー、後少し…」
「そんなこと言ってないで!遅刻するよ」
女の子の声だけではなく身体を揺すられている。
「いいだろ………ん?」
あれ?おかしい、遂に頭がおかしく・・・?そう思い俺は目を開け、恐る恐る声がする
「おはよう、春人」
そこには、笑っている女の子が・・・・。
(誰だお前!?)