キャラメル
私は、キャラメルを見る度にあなたを思い出してしまい、切ない気持ちになる。
その原因は高2の時だ。
私は、高2のはじめから、同じ部活の先輩(河間 空)とつきあいだした。
そして、1年間ずっと仲がよく、喧嘩なんてしたことが無かった。
先輩の卒業式が終わり、デートへ出かけた。
先輩はお菓子を取るユーホーキャッチャーで、少し大きめのキャラメルを取ってくれ、私にくれた。
しかし、この日から2日間、先輩と連絡がとれなかったのだ。
3日後、やっと先輩が電話に出てくれた。...かと思ったが、それは知らない人だった。
「もしもし、河間 癒衣ですけど、空君にお電話ですか?」
「はい。」
「空君とはどのようなご関係でしょうか?」
「前、同じ高校の同じ部活で空先輩の彼女です。...ところであなたは誰ですか?」
少しの沈黙が訪れた。
「私は空君の妹です。…話を戻しますが、落ち着いて聞いてください。空君は…………
「え?」ウソ...。
じゃあもう先輩の笑顔を見ることはできないの?
「それでは失礼いたします。」
ガチャッ プーッ プーッ
電話は切れてしまった。
まだ聞きたいことがあったのに。
私はアルバムを開いた。
そこには、とても幸せそうに笑っている彼の写真があった。