ロボット
私は何をしているのでしょうか。
目から一筋の冷たい水が流れました。
「よし、できたぞ!!検査してみよう。」
…それは、私が初めて聞いた言葉でした。
私は手を引かれ、工場の広場へ連れて行かれました。
「さぁ、歩いてみなさい。」
そう言われました。
さっきも歩いてたと思うのですが?と心の中で呟きましたが、言われた通り歩き回りました。
「おぉぉ!!!成功だ!!!」
そこにいた人たちは飛び上がって喜びました。
そのとき、私の体が熱くなって、制御できなくなりました。
気がつけば私は腕を振り回し、赤色の液体を部屋中にまき散らせていました。
人々が悲鳴を上げているのが聞こえました。
周りを見渡しました。
すると、最初に人の山を見つけました。
それを見て、私は思いました。
ー私は何をしているのでしょうか?ー
私は、人の山を作りたかった訳ではないのです。
ーただ、体の自由がきかなくなっただけで、
私は、…私はココに立っていたかった訳ではないのです。
ーただ、あの人達が勝手に作っただけで、
そのとき、私の目から水が流れ出ました。
その水の意味は分かりませんでしたが、とても悲しい悲しい感じがしました。
私はその場に座り込み、動きを止めました。
部屋には歯車の音だけがむなしく響いているだけでした。