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からっぽ

 この部屋はからっぽ。

 ワタシと、ワタシの手の上にある小さな箱しかない。

 机やいす、感情さえも無い。


 今日もつまらない一日だった。

 授業は話をするだけ。

 当てられたら答えを返すだけ。

 楽しくもなんとも無い。

 楽しいことなんて何も無い。

 友達はいない。いらない。

 友達なんてうるさいだけじゃないか。



 私に初めて『友達』ができた。

 私は『友達』ができたことで、いろいろなことを知ることができた。

 『友達は《大切》』である。

 『友達』ができて分かったことがある。

 それはあの部屋のこと。

 あの部屋は私の心。今はワタシの他にもう一人、人が立っているだろう。

 部屋の中にいるワタシは偽善者の私。

 あの箱の中にあるのはきっと―

 ―『本来のわたし』

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