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野性動物(ウサギ)
季節は夏。
夜にあつくてなかなか寝付けない季節だ。
私は眠れないので、穴から出てから、小さな丘へ出た。
するとそこにはもう先着がいた。
「キュキュキュ?(何してるの?)」
私はそのとても仲のいい彼に聴いた。
「キュキキー(眠れなくてね。)」
彼は遠くの木を見つめながら言った。
その木は広い草原にたった一本生えている、とても大きな大きな木だった。
私はその木の近くへ行ったことはなかったが、とても危険らしい。
トラやライオンがうろちょろしていると、大人達が言っていた。
けれど、私はあの近くへ行ってみたい。
「キュキュッッ!!(あ、流れ星!!)」
彼は空を指さした。
私は木から空へ視線を移すと、 たくさんの流れ星が目に映った。
「キュキー(きれー)」
そのとき、向こうの空彼方から小さな光がこちらへ向かって飛んできた。
その光は次第に大きくなり、目の前いっぱいに広がった。