崖っぷちに建つ家
「お兄ちゃん!!早く。こっちこっち!」
「ハイハイ。」
僕は妹に手を引かれ、崖っぷちに建っている家に着いた。
「お兄ちゃん、ここ、とっても楽しいんだよ。入ろっ!」
妹にそう言われ、御菓子の家のような模様がある目の前にある家に入った。
中はとても広く、おもちゃが少し置いてあるだけだった。
妹がとても遊びたそうだったので、遊んであげることにした。
ふと、窓の外を見ると、もう真っ暗になっていた。
家には誰もいないからまだ帰らなくても良いが、なぜか外を見たとき嫌な予感がした。
一人で遊んでいた妹の手を引いて、急いで外へ出た。
外に出ると、入る時にはなかった宙に浮いている柵が目に入った。
その柵は家を囲むように並んでいた。
僕は柵の間から外に出ようとしたが、透明の壁みたいな物があって出ることが出来なかった。
「くそっ、何で出れねぇんだよっっ!」
僕は柵をたたいた。
その時、ものすごい気配がして、虫酸が走った。
素早く後ろを見ると、フランケンっぽい巨人と、遠吠えをしている白い大きな犬、そして、不気味に笑うマントを羽織った人がそこにいた。
(何なんだ、ここは?)
崖っぷちに建っている、御菓子の家に見える少し広めのただの家←(どうせなら本物が良かった)。
出ることの出来ない浮いた柵。
そして謎の人物。
妹はどうやってここを知ったんだろうか?
すると、妹がカツカツと音を立てて歩いてきた。
僕の目の前で止まり、そして丁寧にお辞儀をしてこう言った。
「いらっしゃいませ、私のお城へ。」
妹---いや、それらしき女の子は嬉しそうに微笑み、「じゃぁね」と呟いた。
そうすると巨人と白い犬とマントマンガおそってきた。
空に浮かぶ月では、ウサギが楽しそうにお餅をついていた。