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物と会話できる人
いつも通りの教室。しかし、そこは『物』にとっては、居心地の悪いところだ。
男子たちは、『物』を投げ合っている。「痛ッッ」とか「ギャァァァァァァァ!!!!!」とか言う『物』の悲鳴が聞こえる。
どこぞのヤンキーたちは、誰かの胸倉をつかんでいる。「い、いき、が...」と『服』は弱々しい声で呟いていた。
いじめっ子な女子達は、人の大切な『物』を取って振り回している。「目が回るー」とか言ってる。
短気な先生は生徒を怒りながら机をバンバン叩いている。「い、いたい...。ちょっとそこの君、聞こえてるんでしょ!?助けてよ!!」と僕に助けを求めている。
『物』と会話できるという不思議な力を生まれつき持っていた僕は、今日もお気に入りのシャープペンシルと話しをしている。