Issue#01 I I I Don't Want to Set the World on Fire CHAPTER 03 13
一方、部屋のちゃぶ台の前に戻ったはちるは、座布団に腰を下ろしてPCに向かいながら、ぼそりとつぶやく。
「今日のアシュリー、ほんとヤンチャな男の子みたいなことしかやらないんだからさ……」
3人での作業が再開された部屋には、キーボードを叩くカタカタという音にまじって、
遠く風呂場から、湯がはねるやさしい音が、ほんのりと聞こえてきた。
「ねえ、レーダーのデータってさ――やっぱり、どうにかして見るのは無理かな?」
おせちがふと問いかけると、
その声に、はちるは軽く首をひねってこう答える。
「うーん……かなり難しいと思うよ?軍事データみたいな超高機密情報ってほとんど『エアギャップ』されてるはずだから」
「エアギャップって?」
とさなが聞き返す。
「えっとね、ネットに一切つながってないパソコンのことだよ!
USBとか、物理的に持ち込んだ媒体じゃないと、データのやりとりすらできない構造になってるんだ。
要するに『外の世界と完全に隔離されたシステム』ね」
という風に、説明がなされると、
「ぢゃ、それならさ……」
大した逡巡もなく、
「……USBメモリをやり取りしてる人を探せばいいんじゃないの?」
さなは真顔でそう口にした。
するとその瞬間、はちるはフレーメン反応のごとく顔を引きつらせてから、
「……そうだよさな!その通りだよ!狙うならそこかもネ!」
と大きく頷いた。
*
それから5分ほど経って、
「あっ、これ……もしかして、いいかもしれない!」
はちるが、何かに気づいたように声を上げ、丸めた背をモニターの方へとより近づけていった。
「なに?」
おせちが問い返すと、はちるは慌ててマウスホイールを何度も転がし、ページの中ほどまで引き戻す。
「ほら見てよ、この人。『仕事 忙しいとか』で検索かけてたら、意外とすぐ出てきたんだけどさぁ――」
はちるの説明とともにスクリーンに映し出されたのは、素っ気ない文体のポストだった。
『今日から仕事がいそがしくなりそうだな~☆』
そのひと言から始まり、彼のXitterアカウントのタイムラインが、3人の目にするすると入り込んでいく。
「えっ? これが?」
さなが首をかしげる。
「うん。何回かね、この人、こういう感じのカキコミしてるんだけど、
時期を見ていくと、こないだのヘリの墜落事故とか、ひとつ前のミサイル発射と見事に被ってるんだよね。……たぶん、防衛省とか、軍の中の人じゃないかなって――」
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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