Issue#01 I I I Don't Want to Set the World on Fire CHAPTER 03 06
「そうだ、北朝鮮!――」
その瞬間、アシュリーが勢いよく口を開く。
「――もうそろそろ、いい加減動かないか?刺客を捕まえて絞り上げればいいなんて考えは
やっぱり甘いだろ。母ちゃんは大人しくしてろって言ったけど、どこからどう来るかわからない相手を待つなんてそんなの後手後手になるに決まってる。このままじゃふやけたタコ焼きだ」
アシュリーの勢いをみて、はちるが、ぱちくりと目をまたたかせる。
その輪郭は、全身を覆う逆立った毛並みのせいで、ホモ・サピエンス用に仕立てられた制服の淑やかさとはどうにもそぐわず、常にどこかざらついた印象を与える。
「いやそれは明石焼きでしょ……でもやっぱりそう思う?」
おせちが、一定の慎重さをもって問い返した。その表情には、同じことを考えていたという安堵と、それでもなお残る不安が混在していた。
「ああ」
「だよね。母さんの言ったことは私たちのことをたとえ気遣ったんだとしても場当たり的だよ。
今のままじゃ、敵の攻めてき方がわからなすぎて警戒しようにもしきれない。
それなら闇雲にでも攻めた方がマシだよ。幸い私たちは、正面からの戦いなら母さんにだって負けないんだから――」
彼女はそのまま、空を見上げるようにあごを引く。
「――もしシャカゾンビの強さが母さんと同じくらいだとしたら、こっちから攻めるのは、むしろ悪い手段じゃない」
こうして話を続けながら家へと戻った4人は、
それぞれ、決定的な口火だけは切らぬまま、はちるの部屋へと雪崩れ込んでいく。
いつものように、はじめ彼女たちは着替えから手を付けていった。
制服の生地が肩から滑り落ちて、絹を引くような音もなく畳に触れるたび、
若く、品のある、そして瑕ひとつ見当たらない彼女たちの肢体がためらいもなくそこにさらけ出されていき、
紐を引っ張るタイプの、あの古い蛍光灯の光に何の衒いもなく晒された瞬間――
それらの肌理は、影さえ鋭さを欠き、光そのものと交わるように滑らかに、柔らかに映じる。
気がつけば誰も言葉を発さぬまま、ただ無意識の所作だけが部屋の空気をかぐわしく染め替え、
そうして、空気と肌と光とが、名もなき調和の中で平らけく重なりきれば、
ついにその時、彼女たちの肉体は、まるで密雲の裂け目からこぼれる天界の光、
それ自体にも似た神聖のかたちへと成り果てた。
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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