issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 01 20
――世界が息を呑む。
全身をバネのようにしならせ、彼女は、1mほどの恒星を、
蹴り砕かんばかりの勢いで真下へと叩きつける。放たれた炎の塊は、
火球というにはあまりにも巨大で、そして暴力的だった。
地上に突き刺さる、宇宙からの判決そのものだった。
「……ま、前半で終わる試合なんだけど!」
彼女が蹴り出した小なる太陽は、振り抜かれた脚の軌跡をなぞる1条の、たくましすぎる光線となり、
眼前に広がる敵の弾幕――その光の壁のど真ん中を堂々と貫いていく。
直進する炎の塊は、炸裂寸前の不安定なエネルギーを滾らせ、上昇してくる弾幕の層を次々と食い破った。
幾筋ものレーザーがその表面で砕け散り、無数のガラス片のように虚空へと迷走した。
やがて――火球が砲火の壁を正面からぶち抜いた瞬間、世界の様相は一変した。
空間のすべてが爆発の巨大なうねりに飲み込まれる。重なり合った爆炎は、隣接する巨峰さえも矮小に見せるほどの火焔の華と化し、白昼の空を、夕暮れよりもなお鮮烈な紅で塗り潰した。
ホットショットは、正面から叩きつける爆風に対し、翼のように両腕を広げて飛び込んでいく。戦闘機が描くループさながらに、彼女は優雅な1回転でその衝撃を受け流した。
全身を焦がす熱さえ、彼女にとっては心地よい日光浴に過ぎない。ループの頂点で体勢を立て直すと、再び両腕を広げ、降下へと移る。眼下に広がる破壊の絶景へ、新たな獲物を狩るべく、その身を投じていった。
《FATAL_ERROR: 0x000000 [SUN_STRIKE] DETECTED. System Halted. ###__Reboo%&t__Fai#led__### ......N/A......》
赤く染まる管制室に、無機質なシステム音声が鳴り響く。 だが、再生される音声データ自体が、響くそばからノイズに飲まれ、崩壊していく。その壊れゆく不吉さを前に、解語のカラスは錯乱した。
「嘘だろオイ!?エネルギーシールドが1発で……!?数値がイカれてるぜ!」
カーディBは、悲鳴に近い声を上げ、漆黒の翼でコンソールを乱打する。
「……あいつ、核弾頭でも蹴り込んだのかよ!?」
モニター上のグラフは、通常の生物が生存可能な閾値を一瞬で振り切っていた。
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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