issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 01 17
静寂を破ったのは、ハヴォックの野太い哄笑だった。
彼は自らのコンソールを放棄すると、まるでこれから始まる祭りを歓迎するかのように、その巨大な胸を叩いた。
「なーに、俺らこの日のために体を鍛え直してたんじゃねえの!?
……じゃあ、もう、あとはやることはひとつだけだぜベイビー!
このハヴォック様が、来たヤツから順に美味しいミートボールにしてやらぁ!」
いきり立った彼は、手にした巨大なレンチを、金属が悲鳴を上げる音をさせながら、いとも容易く粘土のようにねじ曲げてみせる。
だが、そんな虚勢をあざ笑うかのように、カーディBの絶叫が研究施設を駆け抜けていく。
「ボスッ!山頂直上に高エネルギー反応!複数!大気圏外から、まっすぐここへ向かってきます!」
全員の視線が、メインモニターに突き刺さる。そこには、大気圏を突き抜け、
灼熱のプラズマをまとって降下する3つの光点が映し出されていた。
減速の兆候を一切見せない、あまりにも純粋な侵入軌道。
「……馬鹿な、速すぎる……これは……ミサイルか!?」
シャカゾンビが呻くように呟く。次の瞬間、彼は我に返ったように絶叫した。
「全員、山頂防衛線に急げ!我輩もすぐ向かう!」
命令を受け、プロディジーとハヴォックは、「オッス!」とドスの効いた声をあげた。
プロディジーは机の鎖を拾い上げ、あわただしい駆け足で斜行エレベーターへとなだれ込んでいく。
エレベーターが山頂へ向けて轟音と共に上昇していく。そして1分後。サーベルタイガーの骨が天蓋を成す、蛇蝎山の山頂広場に、2人の獣人が飛び出した。
だが、彼らが迎撃の態勢を整えるよりも早く、山の空気が震えはじめている。最初は微かな風切り音。
それは一瞬にして甲高い飛翔音へと変わり、やがて鼓膜を突き破るほどの重低音となって、
蛇蝎山の、粘度の高い静寂を粉々に砕き散らした。
高評価やブックマーク、本作のご紹介、Xのフォローなどで応援いただけますと幸いです。制作の大きな力になります。
https://x.com/piku2dgod
本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256




