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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
Issue#04 I I I I Tales from Topographic Oceans

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285/290

issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 01 16

ハヴォックがレバーを叩き込み、主電源が復旧する。けたたましいアラートが鳴り止み、

洞窟を染めていた血のような赤色が、無機質な白光へと戻った。モニターから警告表示が消え、

一瞬だけ、安堵の空気が流れる。


――だが数秒後、甲高い電子音がまたもやナイフのようにその静寂を切り裂いた。


新たな警告ウィンドウが、球状モニターの中央に、まるで殴りつけるように表示される。


【緊急警告:高精度観測波の照射を検知】

【推定発信源:地球静止軌道セクター6I-107】

【識別コード:不明(民間衛星プロトコル非該当)】

【警戒レベル:コードΩ】


瞬間、シャカゾンビの口から漏れたのは、

「まっ……まさか……!危惧していた、ことが……こんなにも」


叫びではなく、現実を拒絶するかのような掠れた呻きだった。電力の復旧という束の間の

望みは、一瞬にして、新たなる絶望へと塗り替えられる。


メインの警告ウィンドウに呼応し、コンソール群や壁面に存在する無数のサブモニターまでもが連鎖的に開いていく。軌道計算、波形分析、発信源の特定――理解不能な情報と光の洪水が、

その場にいた全員の顔を蒼白に照らし出した。洞窟の空気までもが、

絶対的な捕食者の視線に射抜かれたかのように、機械的な恐怖で凍りついていた。


「ログを洗え!どの勢力からの偵察信号だッッ、1秒でも早く特定しろ!」


シャカゾンビの怒号が響き渡る中、研究施設は情報戦の渦に呑み込まれた。

彼はコンソールのキーを砕かんばかりに叩きつけ、その傍らでは、カラスのカーディBが、

額に汗を浮かべながら漆黒の羽先でキーボードを乱打する。


だが、その狂乱は、カーディBの絶望的な一言によって唐突に断ち切られた。


「……あっ、ボスゥ!こりゃとんでもなくマズいです!!……よりにもよって、”アイツら”にぃぃイッ!!!」


その言葉が合図だった。

中央の球状モニターが、激しいノイズと共に明滅する。次の瞬間、スクロールしていた全てのデータが弾け飛び、そこに1枚の画像が、まるで呪いのように浮かび上がった。


新聞の切り抜きを貼り合わせたような、不穏な書体。血よりも濃い赤色の背景。

それは――『ペルソナ5』の“心の怪盗団”が放つ予告状を彷彿とさせる、悪意に満ちた遊び心で作られた、1枚のメッセージカードだった。


『人類史上最悪の大罪人、


シャカゾンビ殿。


人心を弄び、社会の不安を煽り、戦争を扇動する。


人類の破滅を望むお前の行為は、もはや看過できない。


我々は“母”に代わって、永年の因縁に決着をつけることにした。


空縁から直接行くぜ、楽しみにしてろ。


カルテット・マジコより』


伊達な意匠とは裏腹に、そこに刻まれた筆致は、冗談の欠片もない本物の殺意を放っている。

けたたましく鳴り響いていた警報音が、まるで遠のいていくかのように、シャカゾンビの外耳孔には感じられた。


その場にいた誰もが、息をすることさえ忘れて悟る。


――”奴らは、もう道中にいる”。


高評価やブックマーク、本作のご紹介、Xのフォローなどで応援いただけますと幸いです。制作の大きな力になります。


https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

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