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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
issue#02 UNDERTALE

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150/292

issue#02 I I I UNDERTALE CHAPTER 05 11

カルテット・マジコと、鋼鉄とマグマの街「ラバシティ」のファーストコンタクト。

それは人通りに乏しい金属の通り――コックピットが、まるで鍋釜のような丸みを帯びる鋳鉄のスクーターが何台か無造作に停められた集合住宅地への、何の緩衝もない、足元から脳天まで突き抜けるような着地だった。


そこへ、急角度の降下から、わずかに機首を上げたホットショットが合流する。ほぼ同時に、全員が受け身を取りながら横へと弾け飛んだ。見れば、先の衝撃で、通り全体を構成するスチール合金の路面が、深くひしゃげている。


「……ポポポポポ……!!!」


特異な駆動音を発するプラットフォームの残骸が、間髪入れずに着地跡へ突き刺さり爆発。それが警報の引き金となった。

直後、街中にサイレンが鳴り響く。入り組んだ金属の通路という通路で赤色灯が点滅を始め、周囲の歩哨塔から警備兵たちがドアを跳ね開けながら展開してきた。


カルテット・マジコを追っていたビームの雨は、今度は薙ぎ払うように横一線へと散布される。

それが直撃するたび、家々の壁や街灯は、花が萎れるように弾痕から赤熱し、爛れ、溶け落ちていく。レンガ造りの壁ならば、薄い破片を撒き散らしながら瞬時に瓦解した。


色とりどりの破壊の奔流は、時に彼女たちの背中を偶発的に捉えることもあった。

だが、1、2発の着弾など、少女たちにとっては蚊に刺された程度にすぎない。


その人間らしい見た目に騙されてはならない。そして忘れてはならない。

これまでの戦いが常に証明してきたように――戦闘単位としての彼女たちは、それぞれが

軍隊を凝縮したにも等しい存在なのだ。


「相手は後、今は走る!」


その、イムノの戒めるような指示が飛ぶ。

棟は全鉄製で、屋根が独特の丸みを帯びた、工場街のような街並みを駆け抜ける4人の足取りは、

人間離れした疾走感を放っていた。実速は常に時速数100km。車両すら置き去りにする速度だ。


地底人の治安維持組織では、その機動力に到底太刀打ちできない。

ゆえに戦闘のほとんどは、待ち伏せや偶発的な遭遇に限られた。だが、その奇襲に成功した部隊でさえ、数発のビームを慌てて見舞うのが関の山。すれ違いざまに繰り出される4人の反撃によって、例外なく無力化されていくからだ。


追跡劇の舞台は、都市の幹線道路へと移る。

錆びついた鉄板を無骨に継ぎ接ぎしたスピーダーバイクが数機、甲高いタービンの駆動音を響かせながら、地上の車線を川の流れのように見下ろし、その上を交差するように飛び越えていく。2人乗りの機体は、排熱で陽炎のようにゆらめく空気の尾を引きながら、建物の壁面をかすめ、パイプラインの森を縫うようにして、少女たちの背後へ執拗に食らいついた。


やがて、長い直線路の遠方。ついに2、3台が、前方の障害物を巧みに回避して射線を確保し、4人の背中を完璧に照準へと捉えた。ブラスターの驟雨が、アスファルトを抉り、赤い火花を散らしながら彼女たちの足元へ殺到する。


「ぶっ殺してやるぞ、この野郎ッ!」

先頭の1台に乗る後席の男が、身を乗り出した射撃姿勢のまま怒声を張り上げる。


「逃がすか、クソが――」

操縦席の相棒が吐き捨て、勝利を確信したその瞬間だった。眼下の路面に、あり得べからざる光の文様が浮かび上がるのを、彼は見た。それは紙片か――。墨で描かれた複雑な術式が、みずから発光しているかのごとく、異様に濃い輝きを放っていた。


「……あ? なんだこりゃ――」

2人ともが反射的に顔を覆った直後、眼下の閃光によって彼らの輪郭は機体ごと塗り潰される。

路面に仕掛けられた最初の呪符が起爆し、それが皮切りとなって、後続のバイク隊列の直下でも呪符が次々と連鎖的に炸裂。


立ち昇る神聖な爆炎の柱が、直進するすべての機体を順に呑み込んでいった。やがて、すべての炸裂音がひとつに溶け合い、鼓膜を突き破る轟音と衝撃波が、街路全体を揺るがした。


それは、ミーティスがあらかじめ地雷のように仕掛けていた呪符の起爆だ。

「これなら、足を止めなくてもいいね!」

遠ざかる彼女の、楽しげな声だけが聞こえた気がした。


やがて戦火は市街全域に広がり、街そのものが巨大な混戦の渦と化した。

破壊の痕跡を光の尾のように引き、巻き起こる爆発さえも加速の踏み台としながら、4つの影は、鉄の迷路をピンボールさながら縦横無尽に駆け抜けていく。


「市内に侵入者発生!人数は最低4名、所属・目的ともに不明!

ただし超常能力保持の可能性、極めて高し!

現在、噴気孔広場方面へ移動中! 各部隊は相応の戦力をもって迎撃せよ!」


無線の緊急コールが、警報とともに街のより広い区域へと響き渡る。

そのたび、さらなる増援部隊が陸続と通路や歩哨塔から出撃してくるが――その圧を増す包囲網ですら、4人の行動速度

と連携には到底追いつけなかった。


高評価やブックマーク、本作のご紹介、Xのフォローなどで応援いただけますと幸いです。制作の大きな力になります。


https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

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