7.復讐の復習
「お母様、まずはキョウディッシュ王国の王太子であるウィルフレッド様のお誘いを受けました」
「そのこころは?」
「自分よりも大国で、財力も権力もあり、見目も麗しい方が自分が捨てた女を持って行く。しかもフリーになるのを待っていたと言う。ちょっと屈辱的ですよね?」
「そうよねぇ。自分は『価値がない』と捨てたものを大国が『価値が大いにある』と拾ったのでしょう?つまりは、「お前、見る目ねーじゃん」ということね?」
「さすがはお母様です、その通りです」
「次に、キョウディッシュ王国が公式文章で、次期国王には現・王太子を推すという文章を送ったの」
「まぁ、そんなことをキョウディッシュ王国がしたなら、まわりの小国も追随するでしょうね」
「そう、第2王子であるルード殿下が次期国王になれないようにしていったのよ」
「すると、焦ったルード殿下は第1王子が亡くなればいいのに…と考えるようになります」
「まぁ恐ろしい、思考誘導?」
「誘導していません。ルード殿下が短絡的なんですよ。それで、実際に毒殺を試みたんですね。今回面会に行ったのは、現王太子殿下に銀食器セットを送ったのは私達よ~。って教えるため」
「銀食器に反応しない毒なんていくらでもあるじゃない?」
「そこがルード殿下の愚かなところです。あっさりと毒の入手ルートを暴かれ、罪人として牢屋に入ることとなったのです」
「いろいろしてたのだな、フィオナ。スザンナ嬢の行方はわかったのか?」
「聞き忘れました」
うまいこと逃げおおせてるものだと感心してしまう。
「先ほど、スザンナ嬢が捕縛されたとの報を受けました。検問所でごく自然に引っかかったようです」
たくさん手配書張られてるからなぁ。
他国でのんびりと暮らしたかったのか?違うな、あの手の女は次なるターゲットを探すはずだ。際限なく金を使うんだよなぁ。
美貌が衰えるまで、同じことを繰り返す。老後の貯蓄などは考えない。刹那的で快楽主義。
「あんなのにひっかかったルード殿下がある意味不憫だ」
「まぁそうだな」
ここで義理の親子の意見が一致した。
「ああいう人を悪女というんでしょうか?」
「「そうだな」」
「ゴホンッ、それはともかく!私は孫の顔が早く見たいわ~」
なんて明け透けな!
「ウィルは王太子だから、その子供は王子か王女!ここに連れてくるのはなかなか難しいのよ?」
「あら?それなら私たち夫婦が行くわよ。王宮に部屋、余ってるわよね?」
強引だ…。
子供かぁ。ウィルとの子供ねぇ。
親娘の会話ですね。途中で父の乱入かな?