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第10話:影の狩人、初陣

新たに進化を遂げた俺は、シャドウ・ミミックとしての力を試すべく、洞窟の奥へと進んでいた。進化によって体の色がより暗くなり、影と一体化する感覚が強まった。これなら、より巧妙に敵を欺くことができるはずだ。


(まずは実戦で試してみるか)


 俺は洞窟の壁に沿って進みながら、獲物を探した。そして、しばらく行くと小さな群れを成したゴブリンたちがたむろしているのを発見する。中央には、先ほど倒したリーダー格とは比べ物にならないほどの体格を持つゴブリンウォリアーがいた。


(なるほど、リーダーのさらに上位種か……こいつを倒せば、さらなる成長の糧になる)


 俺は影の中へと潜り込み、ゆっくりとゴブリンたちの背後に回り込んだ。「影潜り」のスキルによって、彼らに気づかれることなく接近できるのは大きな利点だ。


(まずは、奴らの動きを制限する……)


 新しく手に入れた「影縛り」を試すべく、俺は影の中からゴブリンウォリアーの足元へと影を伸ばした。


《スキル「影縛り」発動》


 瞬間、ゴブリンウォリアーの影がぐにゃりと歪み、黒い手のようなものが足に絡みつく。


「グガァ!?」


 突然の束縛に驚いたウォリアーが暴れ出すが、影の拘束は容易に解けるものではない。その隙を突いて、俺は他のゴブリンたちを奇襲した。


「ガバッ!!」


 一匹のゴブリンの首に噛みつき、そのまま影の中へ引きずり込む。悲鳴を上げる間もなく、俺の牙が獲物の喉を裂いた。


(いいぞ……この戦法なら、一方的に狩れる!)


 俺は同じ手法で次々とゴブリンたちを葬っていった。残ったのは、いまだ影縛りに囚われたゴブリンウォリアーのみ。


「グルルル……!」


 ウォリアーは力任せに影を引き裂き、拘束を振り払った。そして、大きな棍棒を振り上げてこちらへ突進してくる。


(正面から受けるのはマズい!)


 俺はすぐに影の中へ逃げ込み、ウォリアーの背後へと回った。そして、スキル「奇襲噛みつき」を発動し、その太い首に牙を突き立てる!


「ガアアアアッ!!!」


 ウォリアーが苦痛の叫びを上げ、暴れ回る。だが、俺は絶対に離さない。さらに牙を深く突き立て、血肉を引き裂いていく。


 やがて、ウォリアーの動きが鈍くなり、ついにその巨体が崩れ落ちた。


《ゴブリンウォリアーを捕食。経験値を獲得》

《レベル5に上昇》

《新スキル「暗殺牙」獲得》


(「暗殺牙」……? どんなスキルだ?)


 確認すると、このスキルは奇襲攻撃時のダメージを大幅に向上させる能力だった。俺の戦い方にピッタリのスキルだ。


(これでまた一歩、強くなれた……)


 さらなる進化の可能性を感じながら、俺は新たな狩りへと向かっていった――。


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