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-89- ランク 2
出世するといっても、様々なランクがある。どのランクまで出世できるかは人それぞれで、ランク以上の出世を望んでもダメなものはダメな訳です。^^
とある商社に勤める顎川は入社して数年も経たなのに、アレヨアレヨという間にランクが上がり、副部長になっていた。同期入社の耳崎とすれば面白い訳がない。そこで耳崎は顎川の一挙手一投足の行動を注視することにした。何か出世する秘策でもあるに違いない…と睨んだ訳である。だが、一向にそれらしき不審な行動は見えず、耳崎は顎川がどうして出世するのか? を把握できなかった。そこで耳崎は顎川に直接、訊ねてみることにした。
「顎川さん、何か出世する方法でもあるんですか?」
「そんなものはありませんよ。ただ、頑張ってるだけなんですがね…」
それを聞いた耳崎は、俺だって頑張ってるんだけどな…と、顎川の早いランク昇格の訳が益々、分からなくなった。
出世のランクはその人に備わった天分ですから、他人が羨んでも仕方ないんですね。^^
完




