-78- さて、どうする…か?
出世するのはいいが、したあと、さて、どうする…か? が、その人の値打ちを左右するといってもいいでしょう。^^
黒川は念願の衆議院議員に初当選した。やったぁ~!^^ …と、内心で万歳しても、外見は苦虫を?み潰したような顔でいなければならなかった。その黒川が街を歩いていると人通りが激しい街路で、ふと通行人の声が後方から聞こえた。
「今の、黒川さんだよ…。まさか、当選するとは思ってなかったがな」
その声を微かに聞いた黒川は思った。
『俺はその程度にしか思われてなかったのか…』
俄かに侘しい気分が黒川の脳裏を駆け巡った。
『そういえば、俺は議員になって何をしようとしてたんだろう。単に名誉を満たすためだけだったんだろうか…』
そんな思いがねまた、黒川の脳裏に去来した。
『これでは、票を入れて下さった方々に申し訳がない。さて、どうする…か?』
黒川は街路を流れながら、議員として、どうする…か? を、また巡った。街路を歩き続けていると、右側に美味そうな匂いがするカレー店が目に入った。黒川は、さて、どうする…か? と考えることを中断し、とにかく美味そうな食物で腹を満たすことにした。
さて、どうする…か? と、深刻に考えず、とにかく腹を満たすことですね。腹が減ってはナントカ・・とか申しますから…。^^
完




