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-6- 内容
出世する場合でも、その内容が問われるだろう。その出世が真にいいか悪いかという内容の差だ。ご立派! と評価されるか否か、という違いです。出世すりゃいいという訳でもないということです。^^
大相撲の本場所が国技館の土俵下で賑やかに繰り広げられている中、観客の一相撲ファン、倉尾はふと、考えた。
『あの内容では…』
役力士が平幕の力士を相手にして、立ち合いの変化技で勝った瞬間だった。内容が悪いと倉尾は思った訳である。役力士である以上、正々堂々と立ち合って欲しい…という気分だった。勝ち星ではあるが内容は負けている…と倉尾は偉そうに判断したのだが、役力士まで出世して、アレでは…と思ったのだ。どう思おうと本人の勝手だが、確かに勝つだけでは…という言い分には一理あった。内容が大事だということだ。内容が悪いと、もう一つ上へ出世出来ないように思えた訳だ。新序盤出世披露から数十場所をかけて出世してきた贔屓力士だけに余計にそう思えたのである。
相撲に限らず、出世には、いい内容が伴っていた方がいいようです。^^
完