出世ユーモア短編集

－５１－ 攻防

　出世には攻防が付きものだ。出世しようとすれば当然、他の出世しようとする競合相手との攻防となりますからバトル[戦闘]が発生する訳です。争ってまで出世したいのか？　ということになりますが、私の場合は争ってまで出世したくない派です。＾＾

「えぇ～～で、ありますから、私は今回の選挙で国会へ是非とも送り出して頂きたい、と考える訳でありますっ！！」

　とある大都市の街頭に止まった選挙カーの上から、とある候補者が熱弁をふるっている。

「この前の選挙でも同じようなこと、言ってたよな」

「ああ…」

「その割には変わってねぇ～しっ！」

「ははは…まあ仕方ねぇ～さっ！　野党組織がなく、政策集団化してるからな…」

「与党にとって代わる党がないか…」

「政策集団が党を名乗ってる。党はフツゥ～は分裂しないんだがな…」

「デモクラシーの完成度の違いか…」

「ああ、アメリカもイギリスも取って代わる対立軸がある…」

「だから、いい意味で政治に緊迫感がある…」

「下手すりゃ、取って代わられるからな…」

「二択だと国民が票を入れやすい…」

　話しながら二人の聴衆は、とある候補者の演説を無視して街頭から立ち去った。

　まあ、二人が語っておられるのが正解でしょう。政治が攻防できる二極化してもらいたいものです。＾＾

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　完