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-43- 値打ち

 出世を果たした樽井は、ふと、考えなくてもいいのに考えた。^^ 自分は本当にこの地位にふさわしい人間なんだろうか…と。よく考えれば、周囲の人間がふさわしい人物だ…と評価した結果、出世できたのである。ただ、樽井には、自分がこの地位にふさわしい人間だという自信がなかったのである。

「ご当選、おめでとうございます…」「おめでとうございます…」「おめでとうございます…」… … …

「ああ、有難うございますっ! なんとか初当選できましたっ! これも(ひとえ)に、皆さんが頑張ってくれたお蔭ですっ! 乾杯っ!!」

 選挙事務所で働いてくれた所員や支援者一同を前に、樽井は乾杯の音頭をとった。だが、内心では、これからの議員活動に自信を持っている訳ではなかった。いや、それどころか、先が見通せない初めての議員生活にビクビクしていたのである。

 だが一年後、樽井は新人議員として大活躍をしていた。出世した値打ちが樽井には備わっていたのである。

『私にはそれなりの値打ちがあったんだな…』

 樽井は、ようやく議員としての地位に自信が持てるようになっていた。それは(おご)りではなく、選挙公約の半ばを、わずか一年でやり遂げた自信だった。

 人の値打ちの有る無しは表立って見えないものですから、その人物を見透せる眼力が国民には必要なようです。見損なえば、国がド豪いことになります。過去と比べ、今の世はどうでしょうか?^^


                   完


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