-39- 目的 2
-11-目的と同じタイトルだが、別のお話である。^^
出世することが目的ならば、その目的を果たしたあと、人は何を目的に生きるんだろうか? という疑問が滾々(こんこん)と湧いてくる。ある意味、目的を果たしたんだから、あとは野となれ山となれ…の気分なら、その人物の出世を応援した人々の期待は裏切られることになり、その人物は偽物と判断できます。逆に、出世したあとも、新しい目的を見出して頑張る人は本物という結論となります。そんな本物・・残念ですが、今の世は少なくなりました。^^
とある総選挙で見事に当選を果たしたとある代議士は、自宅の書斎で一人、悦に入っていた。
「フフフ…ついに、やったぞっ!」
とある代議士が美酒に酔いしれ、ひと言、喚いた瞬間、どういう訳か突然、電源が飛び、家中が真っ暗になった。停電か…と、恐る恐る外を見れば近所の家は異常なく灯りが灯っていた。妙だな…と思った代議士は、自宅のセキュリティ会社に電話をした。
「うちだけ停電したんだが、宜しく頼む…」
『妙ですね。落雷による停電はないんですが…』
「だからさっ!! 今日は目出度い日なんだから…」
『分かりましたっ! すぐに社員が伺いますので…』
しばらくして、セキュリティ会社の社員が点検したが、取り分けて異常はなく、メイン・ブレーカーの電源を入れ直すとすぐに復帰したのである。
「怪しいですね。これといって異常はないんですが…」
「そりゃそうだろうが、現に停電したんだからね…」
「はあ…。また切れたらお電話下さい。それじゃ…」
社員が帰ってしばらくすると、また、スッと停電した。いったいどうしたっていうんだっ!! とある代議士は怒り心頭に発し、イラついた。そしてまた。警備会社の社員が、とある代議士の自宅へ駆けつけてメイン・ブレーカーを入れなおすと、また電源は復帰した。そんな繰り返しが 三度続いたとき、とある代議士は当選の目的を果たせなかった方がよかった…と、薄気味悪く後悔した。
目的を果たしたからといって、必ずしもその先が好結果になる・・という保障は無いようです。^^
完




