-36- 正義
正義を目指す者が必ず勝って出世するのか? と問えば、必ずそうではない。『フフフ…そちも悪よのう』とニンマリ嗤いながら美味い美酒に酔いしれる悪徳政治家や経営者が勝利して出世する・・という構図が人の世ではそれなりにある訳だ。ああ、嫌だ嫌だ…と思っていても仕方がありませんので今日のお話をしたいと存じます。^^
正義の施政を重んじる政治家の蒲鉾は悩んでいた。正義のソチラに靡けばアチラから煙い目で見られる。だが逆に悪に近いアチラに靡けば、ソチラから遠ざけられる…と。衆議院は解散され、総選挙はまじかに迫っていた。
「ええぇ~いっ!」
大声を出して蒲鉾は決断した。ソチラのうどんよりアチラの蕎麦に乗っかろうと。^^ だが、大っぴらに公表は出来そうにない。そこで蒲鉾が取った策は無所属で出よう…というものだった。無所属ならソチラにもアチラにも関係なく、煙い目で見られたり遠ざけられる心配はない…と判断したのだ。
選挙結果は、公認料がもらえず本戦では敗れたものの、比例代表で復活当選となった。蒲鉾にすれば無所属での当選は御の字である。
こうして、正義の政治家、蒲鉾は招集された国会へ堂々と登院したのである。
まあ、このような正義を貫くファジー[曖昧模糊]な道もある訳です。ご参考までに…。^^
完




