31/100
-31- 考え方
出世に対する考え方の違いで、その人の値打ちは大きく変わる。掃除をしていて、自分は掃除大臣に出世したんだ…と思えば、その人の値打ちは随分と上がる訳だ。まあ、そう考える人は万に一人もいないと思いますが…。いれば、あなたが総理大臣です。^^
春の異動で課長に昇進したというのに、三崎は家で悩んでいた。
『俺は出世するために、この会社へ入ったんだろうか…』
そんな考えが三崎の胸中を掠めた。
『いや、そうじゃないっ! 俺はこの会社の仕事がしたいから入ったんだ…』
しばらくすると、別の考え方が岬の脳裏へ去来した。いったい、どちらなんだ…と三崎は巡った。するとどういう訳か、俄かに腹が空いてきた。すでに辺りは茜色に暮れ泥んでいた。
『ははは…どっちでもいいか。とにかく食べよう…』
三崎は椅子から立ち、キッチンへと向かった。
出世は自分のためでも会社のためでもいいという考え方が正しいようで、健康で働ければいい訳です。^^
完




