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-12- 早稲(わせ)と晩稲(おくて)

 稲には収穫期の違いによって早稲(わせ)晩稲(おくて)がある。それと同じように出世にも早稲と晩稲がある訳だ。^^ 採用一二年で、アレヨアレヨという間に係長→副課長→課長とウナギ登りに出世する者と、定年間近でやっと課長へ昇進し、その喜びにぅぅぅ…と打ち震える者もいる訳だ。人は千差万別なのである。^^

 とある大学の研究室である。卒業が数年早く、先輩面(せんぱいづら)をしていた東風(こち)は、ここ最近、急に出世した東雲(しののめ)に嫉妬心を燃やしていた。

『ぅぅぅ…匂いおこせよ 梅の花…私の方が准教授になれるはずだったのに…』

 東風は大学ビルを見上げながら、(くや)しがった。大学の評議会で助手だった東雲は研究論文が認められ、准教授に昇格したが、東風の昇格は今一歩のところで認められなかったのである。東風は大学ビルを見上げながら、(くや)しがった。だが、人の出世とは不可解である。十年後、東雲は准教授のままでそれ以上、昇格出来なかったのに対し、東風は准教授→教授と東雲を追い抜いてアレヨアレヨという間に出世したのである。

 東雲さんは早稲で、東風さんは晩稲ということですね。^^


 ※ 左遷され不遇の身となられた菅原道真公を、少し贔屓(ひいき)目に書かせて戴きました。^^


                   完

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