8話 ギルドマスター
ゴブリン•メイジを倒した後は、薬草採取の依頼の時にもらった、時空魔術の見た目より多く入る袋にゴブリンの角を切って入れ、ゴブリン•メイジ死体ごと入れ、ゴブリンは錆びた剣や棍棒を持っていたので剣だけ入れて、他は放置した。
「死体は...燃やすか」
血の匂いに釣られて獣がやってきても面倒なので燃やすことにした。幸いにも、ゴブリン•メイジは火魔術を持っていたので死体を燃やすことができる。火魔術の今使える魔術はファイヤーボールとファイヤーアローの2種類があり、区別するなら、前者は燃焼力が高く、後者は貫通力がある、という感じだ。
ちなみに袋は、3日すぎたら中身が開かなくなる仕組みがついているらしい。おそらく防犯対策だろう。
十分ほどで街に着き、寄り道せずにすぐに冒険者ギルドの依頼の受付に行く。
「ギルドカードを見せてください」
子供が遊んでいると思われているのか?そう思ったが、普通にギルドカードを見せたら対応してくれた。
「これは失礼しました。報告か受理、どちらですか?」
「報告だ。ゴブリンの退治をしてきた」
「ゴブリン退治ですね。何匹倒しましたか?」
「100匹くらいだ」
「...え?ひゃ、100匹ですか?」
どうやら、数匹倒したくらいだと思っていたらしく、少し混乱していた。
「ああ」
「す、少し上の方に相談してきます」
そう言って受付嬢は奥に入って行った。やっぱりあの森でも、あんなにゴブリンが出現するのはおかしいようだ。考えていると受付嬢が出てきて、
「ギルドマスターが話をしたいようです。ついてきてください」
「そんなに簡単にギルドマスターに会えるものなのか?」
「いいえ。普通の依頼なら、私たち受付嬢が対応するのですが、本当にゴブリンが100匹も出たとなると異常事態ですので、ギルドマスターが本当か確かめるんです」
そういって、ギルドマスターの執務室に案内された。中に入ると、若めの二十代くらいの人が居た。
「やあ、君がオルタくんか。とりあえず2人で話をさせてくれ」
「分かりました」
そう言って、受付嬢の人は出て行った。
「まずは自己紹介をしようか。僕はトルラスの町のギルドマスターをしている、ルラシルだよ。よろしくー」
かなりチャラそうな人だな。
「俺はオルタだ」
「さて、本当に早速だが、100匹ゴブリンを倒した証拠を見せてくれないかな?もし本当ならかなり危険だから」