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１話　始まり

「ここは…どこだ？」

　気がついたら知らない場所にいた。俺が覚えているのは何者かに酷いことを生まれてからされていたこと。何をされたかは正確には覚えていない。

　とりあえず、周りを探索してみるか。

　何故、自分は森にいるのか。自分は誰なのか。考えてもわからない。

　そんなことを考えていたら、木々の間から何か人影が見えた。

「人か？」

　そう思ったがやけに小型だった気もする。

「近づいて見るか」

　そしたらそいつは人間ではなく、悪意に満ちた顔、小型で角がある魔物のゴブリンだった。

そしてそいつがこっちを見てきた。

　どうやら俺は、警戒せず近づいたためゴブリンに気づかれたらしい。相手は棍棒を持っている。

「•••素手では無理だな」

　剣なら多少は扱えるが、素手の技術は俺にはない。

「これは逃げるか？」

　そう思って剣が欲しいと思ったら、手が剣に変化していた。

「何故だ？」

　そう思ったが、とりあえず目の前の敵に集中しなければならない

———そう思った俺は、ゴブリンを普通に一指しで倒した。

「ふう」と息を吐いて、手を見るとまだ剣のままだった。このままだと不便だな、と思っていると普通の手に戻った。どうやら自分の思っている通りに変形できるらしい。

　そして色々検証していると、どうやら変形できるのは手だけではないようだ。例えば目の前のゴブリンに変身することもできるし、足だけゴブリンにすることもできる。手を硬くすることだってできる。

　だが変身できるのは、自分が直接目でみた生物じゃないとなれない。

「剣で普通に切れ味がよかったのは硬くできるからか」

　硬さも自分が知っている以上に硬くはできないらしい。

　そして限度はあるが小さくもなれるし逆に大きるもなれる。

　自分の能力の確認もできたところで、とりあえずこれからどうするか考える。案は2つ。

1.森でなんとか過ごす。

　これはかなりリスクがある。食べ物が有るかどうかわからないのに、この森で過ごすというのは難しい

2.森を抜けてどこか街にいく。

　これもできるかは難しい。森がどのくらいの大きさかわからない上、街に辿り着けるかも分からない。

　3.森で生きながら、外を目指す。

　これは1番リスクがある。外を目指すなら移動し続けないといけないので、拠点を作れないのが厳しい。

　即興で思いつくのはこれぐらいだな。

　そしてどれにするかだが…

「3つ目だな」

　ここで生きていても森での生き方を知らない俺では遅かれ早かれ野垂れ死ぬだろうからな。そのために食料を確保しておきたい。