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伊予弁

作者: GONJI

私は大阪府堺市の包丁鍛冶屋の息子として生まれた

生家には鍛冶場があり祖父も父もそこで仕事をしていた

私は子供の頃に見て育っただけだが、どういう風に作業をするかは多分少々は解る

ただ、祖父も父も包丁を研がしたら当たり前だがプロの切れ味を表現できるのに、私が研ぐとまったく切れなくなる

なんとも情けないことだ


さて、母は愛媛県伊予市という県庁所在地の松山市の南側にある市で漁師の網元の娘として生まれた

もっと昔は廻船問屋をしていたらしい

私が生まれた時にはすでに母方の祖母は他界していたのでまったく知らない

私が子供の頃の夏休みに母の実家に連泊しに行った時なんかは、祖父が近所の浜からよく魚をもらってきてくれた

母の実家のすぐ近くにあの鰹節で有名なヤマキとマルトモの本社がある

この2社の面白いのは道一本隔てて隣同士にあること

大昔からの産業の証だ

母の影響で、根っからの大阪人である私には伊予弁が混じっているらしい

というのも本人はまったく気付いていないから「らしい」と表現する


愛媛県はブーメランのような形をした県で、瀬戸内海に面した東の方を東予地方といい、ブーメランのちょうど真ん中辺りに位置する松山市界隈を中心とした辺りを中予地方といい、南の豊後水道に面した辺りから宇和海の方面を南予地方という

ただ、海に面したところばかりではないので、内陸部はどこが境目かを詳しくは知らないことをお詫びする

方言も東予、中予、南予で違う

東予は伊予弁の中でも関西弁のニュアンスを感じる、中予は夏目漱石の「坊っちゃん」で出てくるような標準的な伊予弁、南予はさらにあくが強くなるが、宇和島市は仙台の伊達藩から藩主が来ているので、中予の伊予弁とはかなり違うイメージがある

母親の生家のある伊予市は東予地方になるので、私の大阪弁は東予訛りが少々混ざっているようだ


次に、私のパートナー、つまり配偶者は宇和島市出身であり南予生まれである

私と知り合ったのは彼女が大阪へ出てきて働いてからなので愛媛県がらみで知り合いになったのではない

大阪が長い彼女ではあるがやはり言葉のイントネーションが大阪弁と違うことが多いと感じる、どちらかと言うと大阪より標準語に近いイントネーションだと感じることが多い

ただ、伊予弁としての訛りも確実に混在しているので、不思議な感じがする

彼女も宇和島の実家と電話で話をする時などは向こうの言葉に戻るのが面白い


私のように大阪人はどこへ行っても大阪弁で話すと言われているのとは違うようだ

私は大阪人でありながら半分以上は愛媛県に縁のある人間である

この因縁も不思議で偶然かもしれないけれど意味探しの妄想も楽しい

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