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エッセイ

起・承・承・承・転・結……結・結!

作者: シサマ


 皆様今日は!シサマという者です。


 先日私は父親を末期癌で亡くしましたが、終末期は母親とともに自宅介護で世話をした背景もあり、色々と大変ではあったものの互いに心を通わせながら父親を見送る事が出来ました。


 小説の話に置き換えては不謹慎かとも思いますが、人の散り際、敗者の去り際等の描写に深く影響を与える出来事だったとも感じていますね。


 今回のエッセイは、私が好む物語の形についてです。


 「こいつの好みなんざ訊いちゃいねえよ!」と、読者様の活動報告やTwitterでひっそりとこき下ろされるかも知れませんが、そこまで弄られたら逆に私も「遂になろうでちっさい地位を確立したな(笑)」という自信に繋がるものと思われますぅ〜。


 さて、小説という形に限らず、物語のストーリー展開の基本には「起承転結」というものがあります。

 

 何かが始まり、物事を先に進める為に必要な人物やイベントが登場し、各々の関係性が深まってきた頃に急展開が発生!その急展開を解決し、また新たな始まりを予感させる……という形が、私の認識する「起承転結」ですね。


 物事を描く以上、どうあってもこの「起承転結」からは逃れられませんし、どんなに己の作家性とやらを振り回しても、バランスの取れた「起承転結」に勝るものはありません。


 しかしながら私は、自らの作品のキャラクターや世界観を愛する余りに、この「起承転結」のバランスを意識的に崩してしまう事が多々あります。

 そんな私の理想とする「起承転結」の形が、タイトルにもある『起・承・承・承・転・結……結・結!』なんですよね。


 この構成についてご説明させていただくと、物語が始まった後、キャラクターや世界観の掘り下げに時間を費やし、急展開が終了した後もこのキャラクターの人生や世界観が続く事を前提として、主人公以外のキャラクターのその後もしっかり描く……という構成です。


 言葉で表現すると何やら格好良さげですが、実はこの手法、人気のある超大作、或いは人気作の第2期やスピンオフクラスになって初めて許されるものなんですよね。


 突然始まった物語のキャラクターや世界観を、いくら丁寧に描写されているからと言って、作者に近いレベルで好きになるなんて事はそうそうあり得ません。

 ある意味プロを目指さない、自己満足で物語を描けるアマチュア作家の特権であるとも言えます。


 『小説家になろう』サイトの人気作品と比べて、良くも悪くも真逆の方向性を貫くこれらの作品は、本当に一握りな自己満作家によるものだけなんだろうな……まあ当然だけど寂しいな……と、私も自覚していました。


 ところが、意外や意外、私と似た趣向の作者様はそれなりにいましたね(笑)!


 検索の仕方は実に簡単!


 ①……自分の作品のタイトルやキャラクターの名前を当て嵌めて検索し、自分とネーミングセンスの似ている作品を炙り出します。


 ②……①の中から、自分の作品が置かれている状況に近い作品を選びます(私の場合は、ポイントは2桁、ブクマは10前後、その割りにはしっかりとした感想が複数書かれているという条件)。


 これだけで、自分の感性に近い作品がガンガン出てきます!

 「なろう」は奥が深いですね〜(笑)。

 数字は嘘をつきませんね〜(涙)。


 ここまでこのエッセイを読んでいただいて、「分かる分かる!」と共感された読者様はいらっしゃいますか?

 おられましたら、私の小説にも顔を出していただけると幸いでございます。

 長編連載作は勿論の事、短くまとめられた完結作品にも哀しいまでに『起・承・承・承・転・結……結・結!』が貫かれておりますよ(笑)!


 このエッセイの前半部分に、バランスの取れた「起承転結」に勝るものはない……と書いた私ですが、実は現代の物語には、「起承転結」のバランスを崩した人気作品は結構存在しています。


 代表的な例としては、ミステリーやホラー作品でよく見られる「どんでん返し」手法ですよね。

 これは所謂「起・承・転・結……転・結」の様な形です。

 

 加えて、最後の「転」が「結」を兼ねていて、「結」を描かずとも衝撃の大きさのみで読者を納得させる「投げっ放しエンド」のセンスを持った作品もありませんかぁ〜?


 イタリアのホラー映画とかにも多いですよね(←マニア)。


 更に、これは不謹慎な表現かも知れませんが、壮大なスケールや緻密な心理表現に作者様自身がK.O.されてしまい、無限の可能性を残したまま「起」や「起・承」の形でエタってしまった作品があります。


 しかしながら、これらの作品はエタってしまったからこそ読者が無限の可能性やインスピレーションを得られ続けるとも言える訳で、作者様も敢えてその可能性に賭け、自身は去っても作品は残すという選択をされたのかな……と最近思う様になりました。


 物語のストーリー展開の基本である「起承転結」を守る事は重要ですよね。

 

 しかし一方では、「基本」というセーフティーネットが剥奪された思考回路から生まれる「伝説」にも期待する私がいます。


 私自身が「伝説」を作れるのか、はたまた暇潰しの検索から突然「伝説」を発掘してしまうのか……?


 皆様も思い思いの「なろう」ライフをお楽しみ下さい!

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど…勉強になりました リアルな人生はもはや承だけが無限ループになっていきがち(当社比)だなぁ それにしても投げっぱなしエンドって私無知で初めて知ったのですがかっこいいすなぁ… [気…
[一言] めっちゃ興味深いお話でした、ありがとうございます!
[良い点] しかしながら、これらの作品はエタってしまったからこそ読者が無限の可能性やインスピレーションを得られ続けるとも言える訳で、作者様も敢えてその可能性に賭け、自身は去っても作品は残すという選択を…
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