4/32
ゲームの作り手
いまさらだが俺の服装は変化していた。自分の部屋にいたときに着ていたジャージ姿ではなくなり、何の変哲もないぬののふくを身につけている。
そしてもう一つ気付いたことがある。
試行錯誤しているうちに、数秒間目を閉じていると頭の中に現在のステータスが浮かび上がってくることが分かった。それによると俺は勇者でレベルは1。所持金ゼロ、所持品もゼロ。守備力たった2のぬののふくを装備しているだけだと表示されていた。あまりによわよわしい。
これじゃスライムにだって勝てる気がしない。
俺はこのゲームの製作者だぞ。言わばゲーム内では神といってもいい存在のはずだ。それなのに街を一歩出たらゲームオーバーのにおいがぷんぷんする。ゲームバランス間違えたかもしれない。
仕方ない。俺が弱いのなら――
「仲間だ。強い仲間を作ろう!」