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武術会3

決勝戦の相手はここまで無傷で勝ち上がってきたという優勝候補筆頭のパーティー、チームカルナギだ。

出番前、出場者控室にいるとチームカルナギのメンバーが挨拶にやって来た。


「あんさんらごっつ強いやんか。まぁよろしゅうたのんますよってに」

とカルが飄々とアイの前に出る。


「お手柔らかに」

ルナが俺の手を握る。


「お互い全力でやりましょう。では闘技場で」

とリーダーのナギが頭を下げると三人は部屋を出て行った。


「優しそうな人たちだったっスね」


「感じいい」


二人がそう感じるのも無理はない。そういう風に感じるようなセリフを俺が喋らせたんだから。

闘技場に入ると観客は超満員。熱気がすごくて流石に決勝戦なだけあるな。

審判が入り、両チームが顔を突き合わせて握手をする。と、


「「「おおっと手が滑ったぁ!!!」」」


カルとルナとナギが握手したままの右手を引っ張り俺たちがよろけたところに顔面めがけてエルボーを繰り出してきた。


ゴッ! ゴツッ! ガンッ!


とそれぞれ鈍い音が鳴る。


「ひゃはは、バカじゃねーの簡単に信用しやがって」


「こいつまた鼻の下伸ばしてたんですけど、チョーきも」


「戦いはもう始まってるんだぜっ」


我ながら変なシナリオにしたもんだと悔やむ。初めはいい奴っぽく振舞っておいて不意打ちをするというどこが優勝候補筆頭のやることなんだろうか。

今のエルボーでHPの半分が削られたという設定になっているのだが、痛みは感じないのでアイもメリルもケロッとしている。ただ闘争本能には火が付いたらしい。


「……勇者さま、あたし加減できないかもしれないっス」


「……私も」


審判が手を振り下ろす。


「それでは、決勝戦始めっ!」


「うおりゃああっス!」

アイがカルに正拳突きをお見舞いする。ボディーにクリーンヒットして闘技場の壁に激突した。


「アイスショット!」

メリルがナギに向かって魔法を放つ。ナギは全身氷漬けになった。


「このっ、くらいなさい!」

ルナが俺にムチで攻撃してくるが、俺はそれを掴むと自分の方に手繰り寄せルナを引きづった。そしておでこにデコピンをくらわせた。ルナが足から崩れるように倒れる。


「そこまでっ! 勝者、チームカイト!」


俺たちは武術会で優勝した。優勝賞品として見届け人のカタリロ姫から、伝説の盾が贈られたのだった。

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