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ヌワロの村

船着き場から南にくだるとほどなくしてへんぴな村に行き着いた。ヌワロの村だ。村に入ると一匹の犬が出迎えてくれた。首輪はしていない。


「ワンちゃんっス! 可愛いっス!」

「おとなしい」


アイが犬に抱きつく。メリルも犬を撫でる。その犬が「ワン」と一吠えすると俺たちを案内するように、村の中心にある家に向かって駆け出した。


「どこ行くんスか、ワンちゃん」

「ついていけばいいの?」


案内されるまま俺たちは家の前で犬が立ち止まるまで後を追った。


「せっかくだ。この家に入ってみようか」


そこは村長の家だった。村の住人たちが集まって話し合いをしている最中だったようだ。


「そこの御仁たち、何か用かな?」


家の中に入るなり、風格のある髭をたくわえた老人が声を発した。それにアイが答える。


「あたしたち魔王を倒すために旅をしてる途中っス。この村に入ったらワンちゃんがこの家の前まで案内してくれたんスよ」


「村長さま、あのこと相談してみたらどうだっぺ?」

村民の一人が促す。


「うむ。そうじゃな。実は……」


といって村長はこんこんと語り始めた。

村長が言うには、毎年豊作を祈って行われる豊穣の儀とやらが出来なくて困っているという。なんでも豊穣の儀を行う北西の洞窟に強い魔物が棲みついてしまったらしいのだ。


「報酬はお支払いしますので、どうかその魔物を退治してはもらえんじゃろうか」


「わかった。まかせて」


即答すると、メリルはきびすを返し出口で一度立ち止まる。


「報酬、用意しておいて」


メリルの目はらんらんと輝いていた。

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