北の関所から2
全員がレベル9になったところで再び北の関所に向かった。今度はポイズンワームの群れに出会うこともなく俺の心配は杞憂に終わった。
「話は聞いています。どうぞお通りください」
と関所の兵士も難無く通してくれた。
ここからは一段と敵が強くなっているはずだ。次の町に着くまでは出来れば敵には出会いたくない。と思っていた矢先――魔物の群れが現れた。
敵はダンスパペットとニードルうさぎとぜにとかげが一匹ずつだ。
俺が先陣切って一番厄介なダンスパペットに二連突きを浴びせる。しかしよろけながらもダンスパペットは俺には目もくれず怪しい演舞を踊りだした。するとそれにつられてアイも一緒に踊りだしてしまう。アイは行動不能になった。
メリルはフレイムショットをニードルうさぎとぜにとかげに放つが、ニードルうさぎには避けられてしまった。
ダメージを負ったぜにとかげがアイに向かって尻尾を振り上げた。動きを封じられているアイはまともにくらってしまう。20のダメージ。
ニードルうさぎは力をためている。次の攻撃で大ダメージを狙っているはずだ。俺は先にニードルうさぎを倒すことにした。
「メリル! ニードルうさぎからだ!」
「エレキショット!」
力をためていたせいで今度は命中する。俺はすかさずヤリで突き刺しニードルうさぎを倒すことに成功した。
アイはまだ踊っている。ぜにとかげがまたもアイめがけて尻尾を振り上げようとしたところを――
「フレイムショット!」
ぜにとかげは火だるまになり消滅した。
続いてダンスパペットは不思議な演舞を踊りだした。たちまちメリルもつられて踊りだしてしまう。
だが、そのおかげでダンスパペット自身も隙だらけだ。俺は最後の一撃を繰り出した。
俺たちは魔物の群れを倒した。360の経験値と620マルクを手に入れた。
「キュア」
アイは自分に回復魔法をかける。面倒な相手だったがダメージが割と少なく済んだのはラッキーだった。
結局それから他の敵に出会うことはなく、無事目的地であるミナットの町に到着した。




