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北の関所から1

「……主よ、この者の毒を消し去りたまえ」


厳かな効果音とともにメリルの体が浄化されていく。


「まったく。ポイズンワームに噛まれていたなら早く言えよな」


「大丈夫だと思った」


あとで気付いたのだがメリルもまた毒を受けていたのだった。


「あたしが解毒魔法を使えたらよかったんスけど……」


「今レベル8だろ。あと一つ上がれば解毒魔法おぼえるからそこまでレベル上げしとくか」


「勇者さま詳しいっスね。なんでいろいろ知ってるんスか?」


「謎」


「そ、そりゃあいろんな書物読んだりしたからな。勇者なら当然の知識だ。うん」


「やっぱり勇者さまはすごいっス!」


「ふーん」


アイは疑うことを知らない子供のように心底感心している。アイは詐欺師にとっては絶好のカモだろうな、などと考えているとそんなアイとは対照的な眼差しでじっと俺をみつめるメリル。あっ目が合った。いまだにメリルが何を考えているのかよくわからないんだよな。

とりあえず話題を変えよう。


「北の関所を越えたら次の町で装備を整えようか、金も結構貯まったし」


「あたしカジノとか行ってみたいっス」


「カジノかぁ。次の町にあれば寄ってみるか」

まぁ次の町にカジノはないんだけど。


「私は魔法の威力を高める武器が欲しい」


「そうだな。あったら買おうな」

これも次に行く町には売ってないけど。


なんだか二人がいることでゲーム制作者という唯一の俺のアドバンテージが活かせてない気がするな。


「とりあえず今日はレベル9になるまで頑張って明日また北の関所に向かうとしようか」

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