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経験のリング

「勇者さま、これ誰が装備するんスか?」


ここはガルフ城を出て北に少し進んだところ。アイが経験のリングを太陽に照らしている。


「メリルはどうしたい?」


「それ売るの?」


「いや、売るつもりはないが」

というよりこのアイテムには値段はつけられないから買い取ってもらえないんだが。


「なら興味ない」

つまらなそうにメリルが呟く。


「やっぱり勇者さまが装備するのが一番いいと思うっス」

経験のリングをアイに手渡される。じゃあとりあえずは俺が装備しておくか。俺は経験のリングを左腕にはめた。すると。


ガザガサッ。


「囲まれてる」

メリルがあたりを見回す。茂みに隠れてよく見えないが確かに魔物の気配がする。さっそく経験のリングの効果が出たか。ヤリを持つ手に力が入る。俺たちは互いを背にして全方位に集中する。


「二人とも気をつけろよ…………来たぞっ!」


ポイズンワームの群れが突然襲ってきた。

敵は8匹。俺は一斉にとびかかってきたポイズンワームたちをなぎ払う。二匹を倒すことが出来たが、足元から近付いていた一匹に足を噛まれてしまった。

「くっ!」

痛みはないが9のダメージ。さらに毒をくらってしまった。毒は放っておくとじわじわとダメージを受けてしまう。アイはまだ解毒魔法はおぼえていない。俺は足元のポイズンワームを一撃で始末する。

となりを見るとアイもまたポイズンワームに噛まれていた。それでも杖を振り回して追い払っている。体から遠ざけて距離をとらないとメリルが魔法を撃てないからだ。だが、そのメリルもまた囲まれていた。

俺はメリルの前に立つと牽制のためヤリを横に振るった。 


「メリル大丈夫かっ?」

「……大丈夫」

小さくうなずいて――


「フレイムショット! フレイムショット! フレイムショット!」

連続で唱えた。燃え広がった炎でポイズンワーム四匹が消滅した。これで七匹。

あとの一匹はアイがふらふらになりながらも倒し終えていた。

160の経験値と100マルクを手に入れた。ちなみに俺は経験のリングを装備していたため480の経験値を手に入れた。

俺はアイに肩を貸してやる。俺もそうだがアイの毒を早く教会で消してもらわないとな。

北の関所はもうすぐそこだが、


「一旦ガルフの町に戻るぞ」

「……了解っス」

「……異議なし」


俺は経験のリングをそっと外した。

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